翻訳|flapper
元来〈まだ十分に飛べないひな鳥〉〈まだ社交界に出ていない少女〉の意味もあるが,第1次大戦後のアメリカに出現した若い女性のタイプを指す。旧来の〈お上品な伝統〉に史上初めて挑戦した,自由で解放された女性で,いわゆるジャズ・エージの花形であった。彼女らを特徴づけるのは,諸事に対するシニカルな態度,セックスへの積極的関心,そして飲酒・喫煙を含む風俗や,大胆なファッションの誇示などであった。とくに画期的なのはそのファッションで,裾が膝までしか届かないストレート・ドレス,ショート・ヘア,ペティコート追放,大戦後に初めて現れた化粧品(真っ赤な口紅,アイシャドーなど)がトレード・マークであった。作家F.S.フィッツジェラルドは,短編集《フラッパーと哲学者》(1920),同じく《ジャズ・エージの物語》(1922),長編《楽園のこちら側》(1920)などで,彼女らの生態を文学化している。
執筆者:金関 寿夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…それはまず,若い女性の服装の革命的な変化に象徴的に現れている。スカートの裾がアメリカ史上初めて膝まで上がり,腕はまる出し,断髪,濃い口紅,アイシャドーなどが,当時フラッパーと呼ばれた女性たちのシンボルとなった。おとなしい旧来のダンスではなく,脚を上げて跳ねまわるような,〈お行儀の悪い〉チャールストンが流行,未婚女性の,付添いなしの異性交遊も初めておおっぴらになり,異性間のペッティングさえ一般的になってくる。…
…15歳のときからニューヨークで踊りを学び,〈レビュー王〉といわれた,ブロードウェーの大プロデューサー,フローレンツ・ジーグフェルド(1867‐1932)に認められて彼のショー〈ジーグフェルド・フォリーズ〉の踊子となる。ハーバート・ブレノン監督《或る乞食の話》(1925)の端役で映画デビュー,〈ボブ・ヘア〉スタイルを売りものに〈フラッパー〉と呼ばれた当時のモダン・ガールを型どおりに演じつづけたのち(《百貨店》1926,《夜会服》1927,等々),ハワード・ホークス監督《港々に女あり》(1928),ウィリアム・A.ウェルマン監督《人生の乞食》(1928)で才能ある女優として認められる。しかし真価を示した代表作は,G.W.パプスト監督に招かれて出演したドイツ映画《パンドラの箱》《淪落の女の日記》(ともに1929)であり,とくに《パンドラの箱》(原作はドイツの劇作家フランク・ウェーデキントの連作戯曲《地霊》《パンドラの箱》)で演じた娼婦ルルによって世界的に注目を浴び,その後もルルはウェーデキントの原作よりもむしろこの映画によって伝説的な存在となり,のちにジャン・リュック・ゴダールは,彼の映画《男と女のいる舗道》(1962)でアンナ・カリーナが演じた娼婦ナナに,ルルのヘア・スタイルとメーキャップをさせたといわれる。…
※「フラッパー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
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