フランセ

デジタル大辞泉 「フランセ」の意味・読み・例文・類語

フランセ(〈フランス〉français)

フランス人フランス語

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百科事典マイペディア 「フランセ」の意味・わかりやすい解説

フランセ

フランス作曲家,ピアノ奏者。フランス北西部ル・マン生れ。音楽家の両親のもとで幼年期から楽才を示し,生地の音楽院に学んだのちパリ音楽院でN.ブーランジェに作曲を師事。20歳で作曲した《ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ(ピアノ小協奏曲)》(1932年)で早くも大成功をおさめ,〈六人組〉に続く世代の大器として注目を浴びた。ラベルイベールプーランクの衣鉢(いはつ)を継ぐ洗練された作風で知られ,第2次世界大戦後の前衛派台頭の中にあっても調性を基盤にした平明・簡潔な書法を堅持オペラから映画音楽まであらゆるジャンルに才気あふれる作品を残した。代表作に《ピアノ協奏曲》(1936年),《弦楽三重奏曲》(1933年),オラトリオ《聖ヨハネの黙示録》(1939年,初演1942年),《木管五重奏曲》(1948年),オペラ《クレーブの奥方》(1965年)などがある。ピアノ奏者としても,自作やフランス音楽に名演を聴かせた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランセ」の意味・わかりやすい解説

フランセ
ふらんせ
Jean Françaix
(1912―1997)

フランスの作曲家、ピアノ奏者。ル・マン生まれ。パリ音楽院で作曲をN・ブーランジェ、ピアノをI・フィリップに師事。1930年18歳でピアノ科を首席で卒業した。プーランク、ラベル、ストラビンスキーなどの影響を受けるとともに、古典的なフランス音楽の伝統を踏まえ、機知に富み、洗練された優雅さにあふれた簡潔で均整感のある作風を確立した。作品は、オペラ『びっこの悪魔』(1937)、同『クレーヴの奥方』(1965)、バレエ『裸の王様』(1935)、同『ソフィーの不幸』(1935)などの劇音楽、『ピアノ協奏曲』(1936)ほかのオーケストラ曲、『管楽五重奏曲』(1948)をはじめとする数多くの室内楽曲、オラトリオ『聖ヨハネの黙示録』(1939)、その他声楽曲からピアノ曲や映画音楽に至るまでのあらゆる分野に及んでいる。映画音楽には『レディ』(1965)などがある。また、優れたピアニストとしてヨーロッパ各地やアメリカで活躍した。

[寺田兼文]

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改訂新版 世界大百科事典 「フランセ」の意味・わかりやすい解説

フランセ
Jean Françaix
生没年:1912-97

フランスの作曲家,ピアノ奏者。パリ音楽院でピアノと作曲を学ぶ。ストラビンスキーの美学とラテン的な古典主義の総合を目ざした師N.ブーランジェの影響のもとに,独自の機知,生彩に富み,しかも平易簡潔な作風を速やかに確立し,1930年代からあらゆる分野にわたって活発な創作活動を展開した。オペラ《びっこの悪魔》(1937),バレエ曲《裸の王様》(1935)ほかの舞台音楽,《ピアノ協奏曲》(1932)など多数の管弦楽曲,代表作《管楽五重奏》(1948)を含むさまざまな室内楽曲や《若い娘たちの五つの肖像》などのピアノ曲,オラトリオ《聖ヨハネの黙示録》(1939)その他多数の声楽曲を作曲,多くの映画音楽も手がけている。優れたピアノ奏者でもあり,青年時代から自作を中心とした演奏活動を行っている。
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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「フランセ」の解説

フランセ

ピアニストとしても活動したフランスの作曲家。ピアノを編成に含む作品に、《ピアノ・コンチェルティーノ》(1932)、《ピアノ協奏曲》(1936)、2台ピアノのための《8つの異国風舞曲》、独奏ピアノのた ...続き

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランセ」の意味・わかりやすい解説

フランセ
Françaix, Jean

[生]1912.5.23. ルマン
[没]1997.9.22. パリ
フランスの作曲家。パリ国立音楽院で作曲を N.ブーランジェに,ピアノを I.フィリップに学ぶ。その後,主として故郷のルマンで作曲にたずさわり,才気煥発な明るいスタイルで,ピアノ曲『若い娘の5つのポートレート』ほか,バレエ曲,管弦楽曲など多数の親しみやすい作品を残している。

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