コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

フレア(読み)ふれあ

デジタル大辞泉の解説

フレア(flare)

《「フレアー」とも》
スカートやコートなどの、洋服の裾の朝顔形の広がり。
ゆらめく炎。「フレアスタック」
太陽の彩層の一部で爆発によって起こる閃光(せんこう)現象。電波X線紫外線の増加や強い太陽風を発し、地球の大気上層や地磁気の攪乱(かくらん)を起こす原因となる。太陽フレア
光学器械で、レンズなどによって反射される光線が映像面に重なり、不正確な像を結ぶ現象。レンズフレア。
赤外線を感知するパッシブホーミング方式のミサイルなどを攪乱するため、空中に散布するおとり(デコイ)。マグネシウムなどの燃焼しやすい金属片と添加剤を混ぜたものが用いられる。→デコイ技術

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

フレア

太陽面爆発とも。黒点などの太陽の活動領域の上空の彩層とコロナで起こる爆発現象。フレアの光は水素,電離カルシウム,ヘリウムなどの原子の発光で,光球の光に比べ弱いため普通の望遠鏡では観測できず,おもにH(/a)線の単色光で観測される。面積は太陽半球面の1万分の1以下から1000分の1以上のものまでさまざま。大黒点群の活動の初期に多く現れる。強いフレアに伴い太陽電波,微粒子線が放射され,デリンジャー現象磁気嵐(あらし)等を起こす。太陽内部の対流層で強い磁場が生まれるとき,対流などの運動により磁場チューブはねじれて磁場中を流れる強い電流が生ずる。磁場チューブの一部には浮力が働き,太陽面に顔を出し,さらに浮上してコロナに半弧状の磁場チューブが出現する。コロナは低密度であるから太陽内部から運び出された磁場中の電流は不安定になり,急激に電流のエネルギーが高エネルギーの粒子やプラズマの熱に変換される。これがフレアの機構だと考えられる。
→関連項目磁気あらし(嵐)太陽電波

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

フレア【flare】

太陽面爆発ともいう。太陽の黒点など活動領域の上空の彩層とコロナで起こる爆発現象のこと。太陽をHα線(6563Å)の単色フィルターで見ていると,黒点の付近の明るい領域(羊斑)が突如10分から数時間にわたって輝き出す現象として知られている。フレアの発見は,1859年イギリスのキャリントンR.C.Carrington(1826‐75)が黒点の近くに白色光で異常に輝く点を見つけたことによるが,フレアが白色光で見えることはまれである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

フレア【flare】

〔「フレアー」 「フレヤ」とも〕
洋裁で、強く湾曲させて裁った布を、ベルトやヨークに縫い付けて、大きく波を打った広がりを出すこと。また、その広がりの部分。
光学器械のレンズに正規の屈折以外の光線が入ったため、映像が白くぼやけたり円や弧状の白い斑点が現れる現象。ゴースト。
太陽彩層の小部分が、数秒から数時間の間、閃光を発する現象。太陽大気中の急激な磁気的変化による。しばしば強い太陽風を発し、地球大気上層および地磁気に影響を与える。太陽面爆発。太陽フレア。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フレア
flare

(1) 光学器械の内部のレンズやプリズムの面で光の一部が反射され,これが結像しないでかぶりを生じる現象。 (2) 太陽彩層の一部が爆発的に噴出する現象で,太陽面爆発ともいう。数分の間に急激に増光し,寿命は数分から数時間程度である。大きさは黒点ぐらいで,黒点群の周辺の活動的な領域に多い。水素の Hα 線などの単色光で見やすい。黒点領域の磁場のエネルギーが電磁波の放射エネルギーや荷電粒子の運動エネルギーに急速に変換されていく過程と考えられる。フレアが発生すると電磁波により地球の電離層が乱され,デリンジャー現象が起り,数日後にはフレアにより放出された荷電粒子のために磁気嵐などが生じる。太陽以外の普通の恒星では,距離が遠いために太陽面で起る程度のフレアは観測できない。しかし,星間物質から生れ,主系列へ向う途上にある非常に若い星の表面では,大規模なフレアの発生を星のスペクトルや光度変化の観測から知ることができる。これらは閃光星,フレア星,おうし座T型変光星などと呼ばれる。

フレア
flare

赤外線を追尾するミサイルに対して誤誘導させる目的で放射する強い赤外線。航空機のエンジンから放射される赤外線に近似している。このフレアは,マグネシウムと硝酸ナトリウム系の混合物を燃焼させてつくり,瞬間的に燃焼温度が 2000~2400Kの高温となり,広帯域の赤外線スペクトル分布を作り出すことができる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フレア
ふれあ
flare

太陽コロナ中でおこる爆発現象。爆発のエネルギーは磁場のエネルギーによると考えられている。コロナ中に伸びている磁力線は複雑に絡み合い、向きが異なる2本の磁力線がぶつかって磁力線のつなぎ替えがおこり(磁場の再結合)、そのとき発生した磁場のエネルギーがコロナプラズマを数千万℃に加熱したり、イオンや電子を光速近くまで加速させる。放出されるエネルギー量は10の20乗~25乗ジュール(全人類が現在使用しているエネルギー量の1年~10万年相当)である。フレアが発生すると高エネルギーの放射線や強いX線、紫外線、太陽風が惑星間空間に放出され、科学衛星の機器に障害を与えたり、宇宙空間での船外活動の障害となる。これらのX線、紫外線は地球大気にも影響を与えて、電離層を乱してデリンジャー現象(短波電波の通信障害)をおこす。また、太陽風が地球に到達すると、オーロラを発生させたりする。フレアの発生は複雑な磁場領域で発生することはわかっているが、まだその予報は完成していない。なお、太陽以外の恒星の観測が進むうちに、表面爆発は他の恒星でもおきていることがわかり、それら全般をフレアとよぶようになった。そこで太陽のフレアを太陽フレアとよんで区別することもある。[日江井榮二郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のフレアの言及

【磁気あらし(磁気嵐)】より

…地磁気変動のうち汎世界的に起こる最も大きな変動で,継続時間1~2日の現象。太陽フレア(フレア)の発生から2~3日後に起こることが多い。フレアに伴って惑星間空間に放出された高速プラズマ流に磁気圏が包まれると起こる現象である。…

【太陽】より

…おおまかにいうと,彩層の温度は下から上へ,5000Kから8000Kへと上昇し,圧力は1万分の1atmから100万分の1atmへと減少する。 彩層に現れるもっとも劇的な現象はフレアである。典型的な例では,単色像で見ていると,プラージュの一部が数個の斑点状に,見る見るうちに非常に明るくなり,点がつながって2本の紐状になり,紐の間隔が広がり,やがてゆっくりと数十分かかって明るさが元に復する。…

【太陽電波】より

…波長をさらに長くするとコロナが惑星間空間に浸透する領域が観測される。 太陽の電波は,ほぼ一定の強さで放射しつづける定常的な成分と,フレアに伴って突発的に放射する成分とがある。前者を静かな太陽の電波,後者をバーストと呼ぶ。…

※「フレア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

RE100

2014年に国際環境NGO「The Climate Group」が開始した国際的な企業連合。業務に使用する電力の100%を再生可能エネルギーに転換することを目的としている。認定を受けるためには、「企業...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

フレアの関連情報