世界大百科事典 第2版の解説
フーゴー[サン・ビクトールの]【Hugo】
初期スコラの神学者,神秘主義者。フランス名はユーグ・ド・サン・ビクトールHugues de Saint‐Victor。ベルギーあるいはドイツのザクセン地方に生まれ,1115年パリのサン・ビクトール修道院に入り,のちに院長としてサン・ビクトール学派の創始者となった。アウグスティヌスを尊ぶとともに,ディオニュシウス・アレオパギタの神秘主義に影響され,神秘的な神の直視こそ神学の究極目標であるとした。これはボナベントゥーラにうけつがれる〈神秘神学〉のはじめである。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報