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ブラジリア Brasília

翻訳|Brasília

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ブラジリア
Brasília

ブラジル首都。ブラジル中部,ゴイアス州南東部にあるが,行政的には州に属さず,連邦政府直轄の連邦区 (面績 5814km2) を構成している。トカンティンス川,パラナ川,サンフランシスコ川,コロンビア川の源流域を占め,旧首都リオデジャネイロの北北西約 950kmにあたる中央高原上の標高約 1150mの地に位置するため,低緯度のわりに気候は温和で,月平均気温は 19~22℃。年降水量は約 1500mmで,4~10月が乾季。首都を内陸部に設置するという構想は 1789年に提案され,ブラジル独立 (1822) 後,1891年の憲法に首都の内陸移転計画が盛り込まれ,具体化した。8年間にわたる慎重な調査の結果,1956年この地が最終的に選定され,J.クビチェック大統領のもと新首都の建設が開始された。 1960年4月 21日,未完成のままリオデジャネイロから正式に遷都。建設にあたっては都市計画案をブラジル人から公募し,L.コスタが入選,主要建築物の設計は世界的に有名なブラジルの建築家 O.ニーマイヤーにゆだねられた。中心市街の平面図はほぼ東に機首を向けたジェット機形で,機首にあたる部分に三権広場を中心に国会議事堂,大統領府,連邦最高裁判所が配され,ここから西に向かって延びる胴体部分が官庁街,両翼部分が住宅地区となっている。政治都市としてのほか,学術・文化都市としての機能も当初から見込まれており,1962年にはブラジリア大学が開校,ほかに国立劇場,ブラジリア博物館,大学図書館などの文化施設がある。市内の主要道路はすべて立体交差で,近代都市設計の最新技術を集中した都市として,1987年世界遺産の文化遺産に登録。あまりにも機能的,計画的で人間性に乏しい都市という批判もあり,これを是正するため,映画館,ナイトクラブ,各種スポーツ施設なども多数建設された。ブラジルのほぼ中央に位置する交通の要地で,大西洋岸の二大都市サンパウロ,リオデジャネイロと鉄道,道路で連絡するほか,北東のサルバドル,北のベレンなどとも道路で結ばれ,さらに西に延びる道路によりクイアバポルトベリョを経て,ペルー方面とも連絡。中心市街の南方には国際空港がある。人口 247万6249(2010暫定)。

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デジタル大辞泉の解説

ブラジリア(Brasília)

ブラジル連邦共和国の首都。ブラジル高原の中心部、標高約1100メートルに位置する。内陸部開発の目的で、ゴイアス州内のほぼ長方形の区域を連邦直轄とし、その中心部パラノア湖畔に建設された。1960年にリオデジャネイロから遷都。ルシオ=コスタが手掛けた計画都市で、オスカー=ニーマイヤー設計によるモダニズム建築が多数存在する。1987年、世界遺産(文化遺産)に登録された。人口、行政区256万(2008)。

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百科事典マイペディアの解説

ブラジリア

ブラジルの首都。同国中央部,リオ・デ・ジャネイロの北西約1000km,ブラジル高原上(標高1000m)にある。新首都建設計画によって建設された現代的な計画都市。
→関連項目クビチェックブラジル

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世界遺産詳解の解説

ブラジリア

1987年に登録された世界遺産(文化遺産)で、ブラジル高原中央部にあるゴイアス州の南東部に位置し、面積5815km2、人口約200万人のブラジルの首都。ジュセリーノ・クビチェック・デ・オリベイラ(1902~1976年)が大統領だった1955年に、新首都として建設が開始された。俯瞰すると飛行機が翼を広げた形をしており、飛行機の機首にあたる部分に大統領府、国会議事堂、行政庁舎、連邦最高裁判所などが並び、翼にあたる部分には各国の大使館など、胴体にあたる部分には大通りがある。設計者にはブラジル建築界の巨匠ルシオ・コスタが起用され、1960年にリオ・デ・ジャネイロから遷都した。人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして世界遺産に登録された。◇英名はBrasilia

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世界大百科事典 第2版の解説

ブラジリア【Brasilia】

ブラジル連邦共和国の首都。連邦政府所在地で,どの州にも属さない特別な地区としてつくられた連邦区の都心部の名称である。旧首都リオ・デ・ジャネイロから約960km内陸にあり,国土のほぼ中心部に計画的につくられた人工都市。連邦区の形状は,南北6万1650m,東西10万6500mの四辺形で,面積5814km2,国土の0.07%弱に相当する。人口は,遷都当時の1960年14万1742,68年38万,76年85万2638,87年168万4000,95年173万7800。

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大辞林 第三版の解説

ブラジリア【Brasília】

ブラジル連邦共和国の首都。連邦政府直轄地で、州に属さない。ブラジル高原の中心部の海抜1152メートルに位置する。1960年リオデジャネイロから遷都。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ブラジリア
ぶらじりあ
Braslia

ブラジルの首都。ブラジル南東部の大西洋岸から約1000キロメートル内陸に建設された計画都市である。陸路では、サン・パウロから1015キロメートル、リオ・デ・ジャネイロから1129キロメートル、また都市の創設と同時に開通したベレン・ブラジリア道路を通じてベレンからは2118キロメートルの距離にある。人口205万1146(2000)。七つの行政地域とともに、面積5822.1平方キロメートルの連邦地区(ディストリート・フェデラルDistrito Federal)を構成している。連邦地区内には中心部から20~50キロメートル圏内に、タグアティンガなど10以上の衛星都市が分布している。トカンティンス、サンフランシスコ、パラナの三大河川の分水界付近、ブラジル高原中央部の標高1100メートルの高所に位置し、年平均気温は20.7℃、気温年較差3℃と比較的しのぎやすい気候下にある。年降水量は1478.1ミリメートルであるが、雨期(10~4月)と乾期(5~9月)が明確に分かれており、周囲にはセラード原野が広がっている。
 ブラジルでは、すでに18世紀からブラジル高原中央部に新首都を建設しようとする動きがあり、1891年の第一次共和国憲法にこの方針が明記され検討が続けられてきた。1956年、ジュセリーノ・クビチェック大統領が新首都建設を議会に提案し承認され、都市の基本プランが公募された。当選したルシオ・コスタのプランに基づき翌57年に建設に着手し、60年4月21日、それまでのリオ・デ・ジャネイロにかわる首都として発足した。市街地は、十字架のイメージから導かれた航空機の形にデザインされ、東西、南北二つの軸から構成されている。また、都市内諸機能の空間的分離、人と車の分離など都市設計上の新しい概念にも注意が払われている。
 東方、パラノア川をせき止めた人造湖に向いた航空機の胴体部にあたる東西軸には、国会議事堂、大統領府、最高裁判所が集まる三権広場に始まり、モヌメンタル大通りに沿って東から西へ、政府官庁群、教会、国立劇場と銀行地区、ショッピング・センターとバス・ターミナル、商業地区、ホテル地区、マスコミ施設(テレビ局など)、スポーツ施設、地方行政機関、軍事施設、軽工業地区が並んでいる。建築家オスカー・ニーマイヤーの設計による斬新(ざんしん)なデザインの建物が多い。一方、弓なりに湾曲した翼の部分にあたる南北軸には、平行に走る大小7本の道路に沿って集合住宅群が配置されている。この都市は1987年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。[松本栄次]

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世界大百科事典内のブラジリアの言及

【クビチェック】より

…55年の大統領選挙では,バルガスの創立した社会民主党(PSD)とブラジル労働党(PTB)の支持を受けて当選した。就任後新首都ブラジリアの建設に着手し,60年リオ・デ・ジャネイロからの遷都を実現した。〈50年の進歩を5年で〉というスローガンの下に,道路,水力発電所などの産業基盤の整備と造船,自動車,製鉄などの基幹産業の育成確立に努め,また,北東部の地域開発機関SUDENEを創設するなどの業績があったが,インフレを悪化させた。…

【コスタ】より

…1936年ル・コルビュジエをブラジルに招き,彼の基本構想のもとにO.ニーマイヤーらの若手建築家を文部省建設プロジェクトに参加させる。50年からの新首都ブラジリア建設の主任建築監督としてマスタープランを作成した。【加藤 薫】。…

※「ブラジリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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