プノンペン(英語表記)Phnom Penh

翻訳|Phnom Penh

精選版 日本国語大辞典 「プノンペン」の意味・読み・例文・類語

プノンペン

(Phnom Penh) カンボジアの首都。メコン川右岸にある。トンレサップ川との合流点に近い河港都市。

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デジタル大辞泉 「プノンペン」の意味・読み・例文・類語

プノンペン(Phnom Penh)

カンボジア王国の首都。同国中南部、メコン川とその支流トンレサップ川、バサック川の合流点に位置する河港都市。1371年にクメール人により建設。15世紀前半に、アンコールから王都が移され、以降、遷都が続き、フランス統治時代の1866年にふたたび首都となった。近代的な都市計画に基づく整然とした街並みで知られる。人口、行政区70万(2002)。

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改訂新版 世界大百科事典 「プノンペン」の意味・わかりやすい解説

プノンペン
Phnom Penh

カンボジアの首都。人口116万(2003)。メコン河口から約300km遡航した自然堤防上の河岸に開けた都市で,港は2500トンまでの船が横づけできる。プノンペンとはカンボジア語で〈ペンの丘〉を意味する。《王朝年代記》によれば,洪水のときに上流から仏像4体が流れつき,敬虔なペンという名の夫人がこの仏像を小さな丘の東斜面に安置したという。これが〈ペン夫人の丘の寺院〉説話で,プノンペン発祥伝説のもととなった。この丘は市の中心部から北へ1km,川に面した高さ30mほどの自然の小丘で,現在この丘の上に大きな仏塔が建ち,市民が参詣している。プノンペンでメコン川とトンレ・サップ川が合流し,これがすぐ下流でメコン川本流とバサック川に分流する。この4本の大河川にちなんで,プノンペンをかつては〈チャトムック(四つの面の町)〉とも呼称した。

 古くはアンコール王都への外港であり,国内諸物産の集散地,河川交通の要衝であった。タイの侵略によりアンコール王都が放棄されてのち,1434年から半世紀にわたり首都となった。16世紀からは一種の自由貿易港の様相を呈し,外国人宣教師や各国の商人が来航した。国別になった外国人居留地ができ,近くに日本人町もあった。フランス保護領下で1867年再び王都となり,名実ともに政治,経済の中心地としての発展を始めた。当時の人口は推定で1万人,ほとんどが華僑とベトナム人で,河岸には無数の河船がつながれていたという。雨季になると市内の随所が冠水するため,1880年から浚渫船を使って大量の土砂を運び,埋立てを行った。また都市計画により広い道路と樹木,中央市場などが建設され,長年かかって小パリといわれる瀟洒な町に生まれ変わった。1913年河岸近くに現在に残る旧王宮が完成した。旧王宮を中心に,旧国会議事堂,諸官庁,博物館,名刹などが建ち,政府の中枢部が集まっている。1975年以降民主カンボジア政権のもとで無人化が強行され,瓦礫の山となり荒廃したが,ヘンサムリン政権下で80年から再び市民が段階的に戻り始めた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プノンペン」の意味・わかりやすい解説

プノンペン
ぷのんぺん
Pnompenh

カンボジア中南部にある同国の首都。メコン川とその支流のトンレ・サップ川、バサック川がK字形に合流するその中心付近に位置する。人口116万9800(2003推計)。プノンペンとはカンボジア語で「ペンの丘」を意味し、市の中心にある、ペンという名の女性が仏像を拾って祭った丘(プノン)に由来する。1371年ころクメール人によって建設され、河川交通の要衝として栄えた。1434年から約半世紀の間、アンコールにかわってクメール王国の首都となった。1866年ふたたび首都となり、以後フランス領時代を通じてカンボジアの中心都市であった。1975年から5年間、ポル・ポト政権のもとで無人化が図られ荒廃したが、1980年以降は復興が進んでいる。

 町はトンレ・サップ川右岸の台地上につくられ、かつては綿花、米の集散地としてにぎわい、北から欧人街、華僑(かきょう)街、ベトナム人街、カンボジア人街に分けられていた。独立後は市街は整備され、南北12キロメートル、東西2キロメートルの細長い町がトンレ・サップ、メコン両川に沿っている。町の区画は規則的で、フランス領時代からの伝統を受け継ぎ整然としている。鉄道駅から東に大通りがトンレ・サップ川まで延び、その通りの北には市庁、ペンの丘、公園などがあり、南には南北に走るポール・ベール街とシソワット波止場通りの間に、19世紀後半に建てられた王宮や国立博物館、国会議事堂、諸官庁などが並んでいる。また、市中の至る所にワット(寺院)がある。交通上は、カンボジアにおける国道網の中心をなすとともに、北西部のシソフォンおよびタイランド湾岸のコンポン・ソムへ延びる鉄道の起点である。また水運でも1908年フランスによって開港されて以来、喫水5メートルの船まで入港できる港があり、重要な機能をもっている。南西8キロメートルにプノンペン国際空港がある。

[菊池一雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プノンペン」の意味・わかりやすい解説

プノンペン
Phnum Pénh

カンボジアの首都。別綴 Phnom Penh。同国南部,メコン川に臨む河港都市で,同川支流トンレサップ川が合流するとともに分流バサック川が分岐して川筋がX字形をなす地点に位置する。早くから河川交通の要衝として開け,15世紀には北西のアンコールに代わってクメール王国の首都となった。その後一時放棄されたが,19世紀後半カンボジアがフランスの保護領となったのち,1866年ノロドム1世が首都に定めてから政治,経済,文化の中心地として発展。港は南シナ海からメコン川を約 300kmさかのぼった地点にあるが,同川の主要港で,カンボジア西部内陸地方や内陸国ラオスへの門戸として,米,魚類,トウモロコシ,綿花,コショウなどの取り引きで繁栄。市内には繊維,ビール,蒸留酒,精米などの工業が立地した。フランス植民地時代に都市計画によって建設された市街はきわめて整然としており,1970年のクーデターでシアヌーク元首が追放されるまでは,王宮を中心に落ち着いた雰囲気を保っていた。その後内戦の激化に伴って避難民が流入し人口が急増,一時は 300万人を数えたが,1975年4月以降はポル・ポト政権により極端な農村移住政策がとられた結果,一転して市の人口が激減し,首都としての機能を喪失してしまった。しかし,1970年代末民主カンプチ政府の登場により町は徐々に以前の姿に戻り,1980年代初めには人口 30万近くまで回復した。水運のほか,陸上交通の中心地でもあり,西のバッタンバン,南のコンポンソムの両方面へ通じる鉄道の起点で,道路が市から放射状に延びている。国際空港もある。人口 124万2992(2008)。

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百科事典マイペディア 「プノンペン」の意味・わかりやすい解説

プノンペン

カンボジアの首都。同国南部,メコン川とトンレ・サップ川の合流点に近い河港都市。農産物取引の中心で,精米,醸造,製材のほか,ガラス,タバコの工場もある。壮大な王宮,クメールの考古博物館,大学(1960年創立),国際空港がある。1371年ころクメール人により創設,1434年アンコール朝の首都となる。1867年フランス保護下で再び王都となり,都市計画に基づいてフランス風の町に変貌した。1975年−1978年のポル・ポト政権下には都市無人化が強行され,廃虚と化した。1980年代以降復興しつつある。124万2992人(2008)。
→関連項目カンボジア

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「プノンペン」の解説

プノンペン
Phnom Penh

カンボジアの首都。メコン川とトンレサップ川が合流し二つに分かれる水路の要衝にあり,大航海時代には国際港市として繁栄。アンコール放棄後の15世紀に一時首都とされ,フランス保護下で再び首都とされて現在に至る。

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世界大百科事典(旧版)内のプノンペンの言及

【カンボジア】より

…正称=カンボジア王国Kingdom of Cambodia 面積=18万1035km2人口(1996)=1027万人首都=プノンペンPhnom Penh(日本との時差=-2時間)主要言語=クメール語(カンボジア語)通貨=リエルRielインドシナ半島の南西隅に位置し,北海道の2倍強の面積をもつ国。カンボジアといえば,王国,敬虔な仏教徒,アンコール・ワットなどで知られていたが,1970年3月のシアヌーク元首の解任により,インドシナ戦争に大きく巻き込まれ,混乱と戦争が続き,鎖国,難民,首都プノンペンの無人化,虐殺という不可解な変事が続発した。…

※「プノンペン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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