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ヘール Geer, Louis de

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヘール
Geer, Louis de

[生]1587. リエージュ
[没]1652.6. アムステルダム
オランダの製鉄業者,鉄商人。リエージュ郊外の製鉄業者,鉄商人の子として生れ,1593年家族とともにドルトレヒトに移り,鉄取引によって財を築いた。ヘールはアムステルダムに移って国際的武器商人になり,さらにスウェーデン王グスタフ2世 (グスタフ・アドルフ) に招かれスウェーデン鉱山開発のために移住し (1627) ,帰化を認められた。多数の鉱山,製鉄・製砲所などを精力的に経営し,スウェーデン工業の父と呼ばれ,大財閥を築いた。

ヘール
Hail, Alexander Durhan

[生]1844.4.16.
[没]1923.6.5.
アメリカの長老派宣教師。神学と医学を学び,1878年来日して大阪,和歌山,三重などで伝道に努め,晩年は大阪府下外島保養院の癩患者の伝道に尽した (1912~23) 。大阪東教会を創立。大阪女学院の創立者の一人。

ヘール
Hale, Edward Everett

[生]1822.4.3. ボストン
[没]1909.6.10. マサチューセッツ,ロクスベリー
アメリカのユニテリアン派牧師,小説家。ウースターの「統一教会」,ボストンの「南部組合教会」の牧師をつとめたのち,1903年から上院礼拝堂付き牧師。その間宗教,文学上の著作を多数発表したが,南北戦争のとき愛国心を鼓舞するために書いた短編小説『故郷のない男』 The Man Without a Country (1863) が有名。

ヘール
Hale, George Ellery

[生]1868.6.29. イリノイ,シカゴ
[没]1938.2.21. カリフォルニア,パサディナ
アメリカ合衆国の天文学者。1890年マサチューセッツ工科大学卒業。ベルリンに留学後,1891年シカゴにケンウッド天文台を創設。また 1897年にヤーキズ天文台,1904年にはウィルソン山天文台を新設して初代台長となる。1897~1905年シカゴ大学教授として天体物理学を担当。国立研究評議会発足に尽力 (1916) 。分光太陽写真儀 (スペクトロヘリオグラフ) の発明 (1890) やスペクトロヘリオスコープの発明 (1926) ,およびパロマ山天文台の 200インチ (約 5m) 大反射望遠鏡(ヘール望遠鏡)の建設に努力するなど,天文観測装置の発展に貢献。また太陽の黒点磁場を発見したことでも有名。1894年国際的専門誌『天体物理学雑誌』Astrophysical Journalを発刊。合併したウィルソン山天文台およびパロマ山天文台は 1970年,ヘールを記念してヘール天文台と改められた。

ヘール
Hale, Sir Matthew

[生]1609.11.1. グロスターシャー,オールダリー
[没]1676.12.25. グロスターシャー,オールダリー
イギリスの裁判官。 1637年法曹界に入り,清教徒革命中は不偏不党の態度を貫き,共和国時代にも厳正中立に裁判にあたった。護国卿時代から王政復古時代にかけて,民訴裁判所 (1653~58) ,財務裁判所 (60~71) ,王座裁判所 (71~76) の判事をつとめた。清教徒革命の激動期にコモン・ローが変化を受けなかったのは,彼の努力によるところが大きかったといわれる。『コモン・ロー史』 History of the Common Law (1713) ,『刑事訴訟史』 History of the Pleas of the Crown (36) の著作によっても知られる。

ヘール
Geel

ベルギー北部,アントウェルペン州の小都市。アントウェルペンの東約 40kmに位置する。7世紀のアイルランド人殉教者聖ディンフナをまつる教会があり,その墓参りをすれば精神障害がなおるという言い伝えにより,古くから精神障害者の巡礼が多かった。教会では付属の病室に巡礼者を収容していたが,14世紀頃からは病室に収容しきれない者を市民がその家庭で世話するという独特の慣習が始った。この慣習は 1850年には国家の管理する一種の医療システムに形を変えながら,現在でも受継がれており,市の最大の特色となっている。工業は食品加工,たばこ,瓦製造など小規模であるが,交通の便のよいことからも,南ケンペン工業開発地域の一部に指定されている。人口3万 2487 (1991) 。

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百科事典マイペディアの解説

ヘール

米国の天文学者。1895年ヤーキス天文台初代台長,1904年ウィルソン山天文台を新設し初代台長。パロマー山天文台建設にも尽力した。スペクトロヘリオグラフ,スペクトロヘリオスコープを発明して太陽観測に寄与,太陽黒点の磁場を発見(1908年)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヘール【George Ellery Hale】

1868‐1938
アメリカの天文学者。シカゴ生れ。マサチューセッツ工科大学卒業。1892年ころフランスのデランドルHenri Deslandres(1853‐1948)とは独立に,スペクトロヘリオグラフを考案し自作する。これを使い,太陽彩層の諸現象を観測し,太陽面現象の研究の先駆者となる。その後,シカゴの電鉄王ヤーキスの援助で,シカゴ大学付置のヤーキス天文台を設立し,そこに当時世界一の口径1mの屈折望遠鏡をつくる。1895年から1905年まで同天文台の初代台長を務める。

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大辞林 第三版の解説

ヘール【George Ellery Hale】

1868~1938) アメリカの天文学者。ウィルソン山天文台・パロマー山天文台などの創設に尽力。スペクトロ-ヘリオスコープを発明し、黒点内部の磁場を発見するなど太陽研究に業績を残した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヘール
へーる
George Ellery Hale
(1868―1938)

アメリカの天文学者。巨大望遠鏡の建設、太陽物理学の推進者。シカゴに生まれる。1890年マサチューセッツ工科大学で物理学、数学を修め、1892年にシカゴ大学の天体物理学準教授に登用される。翌年ヨーロッパに遊学し諸学者の知己を得る。実業家ヤーキスCharles Tyson Yerkes(1837―1905)の寄付によりシカゴ大学付置の天文台(ヤーキス天文台)を設立、深さ9メートル余の塔望遠鏡を建設し、クラーク製口径100センチメートル屈折望遠鏡を設置した。台長として優れた新進を指導、1895年に『天体物理学雑誌』を発行した。さらに大望遠鏡を切望し、1904年カーネギー財団の援助によりウィルソン山に天文台を建設、初代台長となり、257センチメートル反射望遠鏡を設置した(1917)。さらにロックフェラー財団を説得してパロマ山天文台を設立、1928年、508センチメートル反射望遠鏡の建設に着工、第二次世界大戦により完成が遅れ、彼の没後1949年に写真観測が始められた。1889年に分光太陽写真儀を考案してカルシウムのスペクトル線による単色光太陽像を観測し、また太陽黒点の吸収線がゼーマン効果によって広がっていることから強磁場の性質を明らかにした。[島村福太郎]

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世界大百科事典内のヘールの言及

【黒点】より

…黒点の低温なのは磁場が太陽中心からのエネルギーの流れをせきとめているからだと考えられている。
[ヘールの法則]
 標準的な黒点は東西に並んだ正負の磁極をもつ1対として現れ,正負の並び方は北半球と南半球で逆であり,しかも黒点周期ごとに南北半球の現象が入れ代わるという法則で,1925年G.E.ヘールが発見した(図3)。この見地からすると太陽活動の周期は約22年であるということができる。…

【太陽観測】より

…この分離が磁場の強さに比例するので,ゼーマン効果は天体の磁場を知る手段を与えた。アメリカのG.E.ヘールは,1908年黒点の吸収線の中に異常に線幅の広いものがあり,偏光を調べゼーマン効果によるものであることを証明し,黒点は2000~3000ガウスにも達する強い磁場をもつことを明らかにした。 コロナの物理的状態は日食時に撮ったスペクトルにより明らかにされた。…

【天文学】より

…W.ハーシェル時代の反射鏡は金属を研磨したものであったが,19世紀の半ばにドイツの学者によってガラス製の反射鏡が作られ,製作の容易なために屈折望遠鏡以上に大きなものが作られることになった。20世紀初めにはアメリカのヘールGeorge Ellery Hale(1868‐1938)は257cmの反射望遠鏡をもつウィルソン山天文台を建設し,さらに,508cmの反射望遠鏡がパロマー天文台に設置され,現在では200cm以上の大望遠鏡は30基近い数となるに至った。 こうした望遠鏡の発達と並んで写真術が天文学にとり入れられた。…

※「ヘール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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