νを任意の複素数とするとき,2階の線形常微分方程式,
をベッセルの微分方程式という。νが整数(0,±1,±2,……)でないときは,
は0<|x|<∞で収束し,(1)の解となる。
これを第1種ベッセル関数または円柱関数という。ここでJν(x)とJ-ν(x)とは一次独立である。νが0または正の整数nのときも(2)は(1)の解であり,(2)の右辺の級数は|x|<∞で収束する。この場合,(2)のνを-νでおきかえてから形式的にν→nとして,
と定義するが,Jn(x)=(-1)nJ-n(x)なる関係があるから,Jn(x)とJ-n(x)とは一次独立でない。νを再び任意の複素数として,
と定義する。ただし,νが整数nのときはこれは不定形(0/0の形)になるので,形式的にν→nとしたときの極限値で定義すると,
が得られる。ただし,ψ(λ)=Γ′(λ)/Γ(λ)である。(4)をハンケルH.Hankelの公式という。任意の複素数ν(整数でもよい)に対してJν(x)とYν(x)とは(1)の一次独立な解であって,という関係式を満たす。これをロンメルLommelの公式という。Yν(x)はNν(x)とも書き,第2種ベッセル関数またはノイマンC.G.Neumann関数と呼ばれる。また,
を第3種ベッセル関数またはハンケル関数という。ベッセル関数は歴史的には惑星の運動に関するケプラーの方程式を解くために考えられ,さらにF.W.ベッセルによって組織的に研究されたが,その後いろいろの問題に現れ,応用上重要な地位をしめるに至った。例えば,ヘルムホルツの方程式と呼ばれる数理物理学で重要な方程式Δu+k2u=0(Δ=∂2/∂x2+∂2/∂y2)において独立変数を直交座標(x,y)から極座標(r,θ)に変換すると,この方程式はベッセル関数Jn(r)を使ってJn(kr)cosnθ,Jn(kr)sinnθ(n=0,1,2,……)と表される解をもつ。
執筆者:伊藤 清三
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