ボッケリーニ

デジタル大辞泉 「ボッケリーニ」の意味・読み・例文・類語

ボッケリーニ(Luigi Boccherini)

[1743~1805]イタリアの作曲家。古典派室内楽曲の様式を確立した。作品に「チェロ協奏曲」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ボッケリーニ」の意味・読み・例文・類語

ボッケリーニ

  1. ( Luigi Boccherini ルイジ━ ) イタリアの作曲家。はじめチェロ奏者として活躍。のちマドリードで作曲をはじめ、抒情的な多くの弦楽四重奏曲やチェロ協奏曲などを書いた。弦楽五重奏曲中のメヌエットは特に有名。(一七四三‐一八〇五

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ボッケリーニ」の意味・わかりやすい解説

ボッケリーニ

イタリアの古典派を代表する作曲家,チェロ奏者。ルッカに生まれ,13歳でチェロ奏者としてデビューウィーンやパリで演奏家,作曲家として活躍後,1768年以後はマドリードに住み,国王カルロス3世の弟ドン・ルイスの宮廷演奏家に就任主君死後ベルリンのフリードリヒ・ウィルヘルム2世や王侯貴族の援助を受けたが,晩年は経済的に恵まれない生活を送った。オペラ交響曲,協奏曲,宗教的声楽曲など多ジャンルに作品を残したが,中でも室内楽曲に鮮やかな作曲技巧を示し,古典派室内楽様式の発展に大きく貢献した。2つのチェロを巧みに用いた弦楽五重奏曲(弦楽四重奏)を中心に,弦楽四重奏曲,三重奏曲,六重奏曲,またギターと弦楽四重奏の組合せによるギター五重奏曲などさまざまな編成の作品が知られる。19世紀には半ば忘れ去られたが,1969年のフランスの音楽学者Y.ジェラール〔1932-〕による作品目録完成以来,急速に再評価が進んでいる。チェロ音楽の発展への貢献も大きく,近年はビルスマらの古楽演奏家によりソナタや室内楽曲が盛んに演奏されるようになった。有名な《チェロ協奏曲・変ロ長調》はロマン派風の彩りが施された19世紀の編曲版が長らく人気を得てきたが,今日では原典版による演奏も普及しつつある。
→関連項目チェロ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボッケリーニ」の意味・わかりやすい解説

ボッケリーニ
ぼっけりーに
Luigi Boccherini
(1743―1805)

イタリアの作曲家、チェロ奏者。コントラバス奏者を父に2月19日ルッカに生まれる。14歳から数年ウィーン宮廷楽団でチェロを弾いたのち、パリなどに演奏旅行し、1768年からは終生スペインに住んだ。70~85年カルロス3世の弟ドン・ルイス王子の宮廷作曲家。王子の死後、87~97年プロシア王の宮廷作曲家。しかしベルリンには住まず、マドリードから作品を送った。晩年は一時ナポレオンの弟リュシアン・ボナパルトの保護を受けたが、不遇のうちに1805年5月28日マドリードで没した。作風は、「ハイドンの妻」と評されたように、繊細・優美で旋律美に富み、またスペイン風のリズムや旋律が古典派音楽としては異彩を放っている。室内楽を得意とし、自ら創始した弦楽五重奏曲125曲、および弦楽四重奏曲91曲、弦楽三重奏曲48曲などは、生前ハイドンに匹敵する人気を得ていた。ほかに、チェロ協奏曲11曲、交響曲29曲などがある。有名な「ボッケリーニのメヌエット」は、弦楽五重奏曲ホ長調作品11の五(1771)の第三楽章である。

[大久保一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ボッケリーニ」の意味・わかりやすい解説

ボッケリーニ
Luigi Boccherini
生没年:1743-1805

イタリアの古典派を代表する音楽家。1769年以後はマドリードに住んで王弟ドン・ルイスに仕え,主君の死後はベルリンのフリードリヒ・ウィルヘルム2世や貴族たちの援助を受けた。広い領域にわたる作品を残したが,チェロ奏者兼作曲家として,古典派室内楽曲様式の発展・完成に貢献した。とくに弦楽四重奏曲ではモーツァルト,ハイドン,ベートーベンと並ぶ大家である。また,2台のチェロを用いた弦楽五重奏曲,ピアノ五重奏曲,弦楽六重奏曲などにも佳作を残した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボッケリーニ」の意味・わかりやすい解説

ボッケリーニ
Boccherini, Luigi

[生]1743.2.19. ルッカ
[没]1805.5.28. マドリード
イタリアの作曲家,チェリスト。コントラバス奏者の父のもとに育ち,ローマで学んだのち,1761年バイオリン奏者 F.マンフレーディとともにオーストリアとフランスをめぐり,69年からマドリードに定住,王子ドン・ルイスに室内楽作曲家,演奏者として仕えた。ルイスの死後 87年にプロシアのフリードリヒ・ウィルヘルム2世に作品を献呈し,プロシア宮廷音楽家の称号を受けた。作品は交響曲 20,チェロ協奏曲4をはじめ 100曲以上の弦楽五重奏曲,四重奏曲,50以上の三重奏曲などの室内楽曲のほかオペラ,声楽曲など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ボッケリーニ」の解説

ボッケリーニ

イタリアの作曲家、チェロ奏者。芸術一家の子として生まれ、父から音楽の手ほどきを受ける。13歳でチェロ奏者としてデビュー。1757年、神聖ローマ帝国の首都ウィーンに父子で召喚され、宮廷劇場の奏者 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android