ボーンウィリアムズ(その他表記)Ralph Vaughan Williams

改訂新版 世界大百科事典 「ボーンウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ
Ralph Vaughan Williams
生没年:1872-1958

イギリスの作曲家。エルガーの後に続いてホルストらとともに20世紀におけるイギリス音楽復興の指導的作曲家である。ケンブリッジ大学,ローヤル音楽院カレッジに学んだのち,1908年パリでM.ラベル師事した。イギリス民謡の再発見と16世紀イギリス音楽への回帰がその作風基盤となった。交響曲9曲を作曲したが,《海の交響曲》(第1番合唱付き。1909),《ロンドン交響曲》(第2番。1914),《田園交響曲》(第3番。1921),《南極交響曲》(第7番。1952)などの標題交響曲に独自の個性を発揮している。《トマス・タリスの主題による幻想曲》(弦楽合奏。1910)や《グリーンスリーブズによる幻想曲》(管弦楽。1934)も広く愛好されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ボーンウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ

英国の作曲家。ホルストとともに,エルガーによって再興された英国音楽の発展に貢献した。ケンブリッジ大学とロンドンの王立音楽学校に学んだのち,ベルリンブルッフ,パリでM.ラベルに師事。1903年ホルストらと英国民謡の採譜を開始し,管弦楽曲《ノーフォーク狂詩曲》(1907年)などで本格的な作曲活動に入る。以後,英国音楽の伝統にフランス近代音楽の書法などを加味した独自のスタイルを打ち立て,80歳を過ぎた最晩年まで旺盛な創作活動を続けた。代表作に第1番《海の交響曲》にはじまる九つの交響曲(1909年−1957年)があり,ほかに六つのオペラ合唱曲や教会音楽などがある。管弦楽曲《グリーンスリーブズによる幻想曲》(1934年)は有名。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーンウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ
Vaughan Williams, Ralph

[生]1872.10.12. ダウンアンプニー
[没]1958.8.26. ロンドン
イギリスの作曲家。ロンドンの王立音楽学校とケンブリッジ大学で学び,オルガン奏者として活躍。その後ヨーロッパに渡り,ベルリンで M.ブルッフ,パリで M.ラベルらに学んだ。また 1903年頃からイギリス民謡の収集を始め,そこから大きな影響を受けた。晩年には難聴に悩まされたが,旺盛な創作活動を続けた。主作品は9曲の交響曲,6曲のオペラのほか管弦楽曲,合唱曲,歌曲など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーンウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ
ぼーんうぃりあむず
Ralph Vaughan Williams
(1872―1958)

ホルストとともに20世紀前半のイギリスを代表する作曲家。王立音楽カレッジ、ケンブリッジ大学でパリー、ウッド、スタンフォードに学んだのち、ベルリンでブルッフ、パリでラベルに師事。本格的な作曲活動は比較的遅く、30歳ごろに始まる。彼の音楽の基盤は、ルネサンス期のイギリス音楽とイギリス民謡にある。作品には、『海』『ロンドン』『田園』『南極』などの標題をもつ九曲の交響曲をはじめ、オペラ、管弦楽曲、協奏曲、合唱曲、歌曲など多数。

[寺田兼文]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android