ポマード(英語表記)pomade

翻訳|pomade

デジタル大辞泉 「ポマード」の意味・読み・例文・類語

ポマード(pomade)

男性整髪用の練り香油。

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精選版 日本国語大辞典 「ポマード」の意味・読み・例文・類語

ポマード

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pomade ) 整髪用のねり香油。主に男子が使う。ポマタ。〔欧米最新美容法(1908)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ポマード」の意味・わかりやすい解説

ポマード
pomade

頭髪につけて光沢を出すとともに,髪を整えるための練状の香油。かつては頭髪ばかりでなく,クリームと同様に皮膚にぬる化粧品でもあった。語源についてはいろいろの説があるが,古代ギリシア・ローマでは,豚脂に熟したリンゴ果肉香料を加えて練ったものを,頭皮や頭髪用の化粧品として使っていたが,果実や果樹ラテン語でpomumというところから名称が起こったとする説が有力である。

 ポマードがヨーロッパで文献にあらわれてくるのはイギリスのエリザベス時代で,女性の髪に髪粉(かみこ)やポマードがつけられ,また染髪も行われた。おもにイタリアからの輸入品であった。さらにヨーロッパではワセリン流動パラフィン,固型パラフィンなどの鉱物油に香料をつけた整髪料を,ポマードとかブリリアンティンbrilliantineと呼ぶようになった。

 日本では1909年ころから鬢付(びんつけ)油や練香油(髪油)がポマードとして売り出されたが,大正初年には植物性ポマードがつくり出された。これはヒマシ油85~90%,木蠟10~15%に酸化防止剤,香料などを加え加熱・融解し,急冷したものである。鉱物油に比べ,粘性があっても洗髪が容易なので日本人の髪に適し,長く使われてきた。しかし65年ころから新しい整髪料が開発されたことと,ヘアスタイルの変化によって現在ではあまり使われなくなっている。
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百科事典マイペディア 「ポマード」の意味・わかりやすい解説

ポマード

髪油の一種。整髪と同時に光沢と芳香を与える。ゼリー状または半固体。植物性のものはヒマシ油に木蝋(もくろう)を混ぜ香料を加えて作り,整髪効果はよいが,べとつきが強い。鉱物性は白色ワセリンなどに香料を加えて作り,さらっとしているがシャンプー剤で落ちにくい。
→関連項目髪油整髪料チック(化粧)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポマード」の意味・わかりやすい解説

ポマード
pomade

整髪用の練り香油。髪に油分を与え,髪型を整えて持続させる。おもに男性が用いる。鉱物性と植物性の2種類がある。語源は最初の原料であるリンゴを意味するラテン語の俗語 pomumからきている。

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世界大百科事典(旧版)内のポマードの言及

【果物】より

…そのためドロテアはこの籠とともに絵画化される。なお,果物を指すラテン語ポムムpomumは液汁に富むもの,とくにリンゴの意で,ポマードpomadeの語源となっており,昔はリンゴの果汁で髪油を作ったことによるといわれる。【荒俣 宏】
【果実類の生産,輸出入】

[世界]
 世界における果実類の総生産量は,1981年の2億8000万tから,95年の4億0300万tへ増加した(FAO統計)。…

※「ポマード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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