チック(その他表記)tic

翻訳|tic

精選版 日本国語大辞典 「チック」の意味・読み・例文・類語

チック

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「コスメチック」の略 ) 毛髪やひげを整える棒状の男性用油性化粧料。
    1. [初出の実例]「髪をペタリとチックで撫でつけて居て」(出典:菊池君(1908)〈石川啄木〉四)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 英語の dramatic, exotic, romantic などの形容詞的な語尾 -tic から ) 名詞の語幹に付けて、そのような性質をもつものの意を表わす形容動詞をつくる。「乙女チック」「漫画チック」など。

チック

  1. 〘 名詞 〙チックしょう(━症)」の略。

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改訂新版 世界大百科事典 「チック」の意味・わかりやすい解説

チック
tic

一見,癖のようにみえる,まばたき,顔しかめ,肩すくめなど,身体各部分を動かさずにはいられないような衝動を感じて繰り返される無目的の筋肉運動で,そのほか,鼻を鳴らす,咳払い,しゃっくりのような発声,特定の汚い言葉やわいせつな言葉(汚言)をいう,などを伴うこともある。幼児期後半から学童期に発症し,7~9歳の男児に多く,一定の心理的背景から始まるものが少なくない。思春期以降減少するが,成人になっても続くこともある。一つの型のチックだけがみられるもの,各種の型が同時に,あるいは交互に起こって慢性化するもの,発声チックを伴い社会生活に支障をきたす難治性のジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群Gilles de la Tourette syndromeなどに分けられる。初期であれば,周囲がやかましく注意するのをやめるだけで自然におさまるが,一定期間続いたものは,薬物療法,行動療法などの専門的な治療を必要とする。しかし精神病に移行することはない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チック」の意味・わかりやすい解説

チック
ちっく
tic

不随意に筋の一部が軽い収縮運動をする場合をいう。器質的な病変による場合もあるが、精神的なストレスないし心理的要因でこのような不随意運動をおこす場合も少なくない。四肢の筋のどこにもおこりうるが、もっとも多いのは顔面チックである。治療としてはなかなか有効な薬剤はないが、トランキライザーや多少精神療法を加味して心理的要因を取り除くのがよい。

[里吉営二郎]

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百科事典マイペディア 「チック」の意味・わかりやすい解説

チック(医学)【チック】

大きなまばたきや口のひきつれなど,顔やくび,肩などの筋肉の急激で律動的な不随意痙攣(けいれん)。心因性のものと,脳炎後などにみられる器質性のものがあるが,一般には心因性のものをさす。子どものチックは心因性のものが多く,鎮静薬投与,精神療法を行うが,両親が子どもに対して干渉的すぎるといった養育態度に問題のある場合が多い。
→関連項目行動療法

チック(化粧)【チック】

コスメチックの略。油性の整髪料の一種。もとはひげの整形用であった。主原料はポマードと同様だが,蝋(ろう)などを添加して硬度を増し,棒状に仕上げる。おもに硬い髪またくせ直しやおくれ毛止めに用いる。
→関連項目髪油整髪料

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家庭医学館 「チック」の解説

ちっく【チック Tic】

[どんな病気か]
 スピードの速い、くり返される律動的な筋肉の動きで、顔面におこることが多いものです。気になる症状ではあるのですが、日常生活に支障がおこるわけではなく、治療の必要はありません。
 チックの一種にジル・ド・ラ・トゥレット病があります。この場合は、くび、肩、顔面、舌などにチックがおこり、さらに、汚言症(おげんしょう)(汚いことばをはく)、奇声(きせい)などの精神症状をともないます。神経抑制薬のハロペリドールが有効なことがあります。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チック」の意味・わかりやすい解説

チック
tics

顔面,首,肩などの筋肉群がピクンピクンとけいれん的に収縮を起す現象。幼児に多い。錐体外路系統の障害のこともあるが,多くは心が原因で神経系に症状の生じるもので,運動性神経症の一つと考えられている。意味ありげなまばたき,舌打ち,うなずき,首の回転など,第三者に不快な印象を与えるものが多いが,注意するとますます止まらなくなる傾向がある。

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