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マッカラーズ McCullers, Carson

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マッカラーズ
McCullers, Carson

[生]1917.2.19. ジョージア,コロンバス
[没]1967.9.29. ニューヨーク,ナイヤック
アメリカの女流作家。高等学校時代に E.オニールに傾倒し,戯曲や小説を書きはじめた。ジュリアード音楽院に学んだのち,聾唖者を主人公に愛を求める孤独な人々を描いた処女小説『心は孤独な狩人』 The Heart Is a Lonely Hunter (1940) により,才能ある新進作家として広く認められた。南部に駐屯する軍隊内の異常な殺人事件を扱った『金色の目に映るもの』 Reflections in a Golden Eye (41) に次いで発表した『結婚式の参列者』 The Member of the Wedding (46) では,兄の結婚に対して示す思春期の少女の微妙な心理のあやをみごとに描いて好評を博し,作者の手で劇化 (50) され,映画にもなった。ほかに中・短編を収録した『悲しきカフェの歌』 The Ballad of the Sad Café (51) ,戯曲『驚異の平方根』 The Square Root of Wonderful (58) ,小説『針のない時計』 Clock Without Hands (61) などがある。リウマチのため 29歳から死ぬまで車椅子の生活をおくった。

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百科事典マイペディアの解説

マッカラーズ

米国の女性作家。障害者青年を主人公とした長編心は孤独な猟人》(1940年)で出発。《黄金の眼に映るもの》(1941年)《結婚式の参列者》(1946年)でも南部を舞台に人間の孤独を描く。

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世界大百科事典 第2版の解説

マッカラーズ【Carson McCullers】

1917‐67
アメリカ南部出身の女流作家。ジョージア州コロンバスに生まれ,コロンビア大学,ニューヨーク大学で創作を学んだ。23歳のとき,南部の工場町を背景に,聾啞者シンガーが精神病者の友人に抱く無償の愛と,彼に心の支えを求める過激主義者,思春期の少女,黒人医師たちを描いた《心はさびしい猟人》(1940)により一躍作家の地位を築き,さまざまな病気,脳卒中による麻痺に苦しみながら完成度の高い作品を書いた。軍駐屯地の異常な人間関係を扱った《黄金の眼に映るもの》(1941),12歳の少女の不安定な心理を描き,後にみずから脚色してブロードウェーで成功した《結婚式の参列者》(1946),大女と2人の男の三角関係の物語《悲しい酒場の歌》(1951)など,いずれも肉体的,心理的な奇形,病気,ゆがみをもつ人物を通して,人生に潜む恐怖,寂しさ,人とのつながりへの渇望を描き出している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マッカラーズ
まっからーず
Carson McCullers
(1917―1967)

アメリカの女流小説家。ジョージア州に生まれる。初めピアニストを志してニューヨークへ出るが、その直後に授業料を紛失し音楽家を断念、コロンビア、ニューヨーク両大学の創作クラスで学ぶ。旺盛(おうせい)な創作活動期は1940年代で、最初の長編『心は孤独な猟人』(1940)は、孤独からの脱出を求める寂しい心を描いて賞賛された。以後、南部の陸軍駐留地内の殺人事件を扱った『金色の眼(め)に映るもの』(1941)、12歳の孤独な少女の心理を描く『結婚式のメンバー』(1946)などで、孤独と愛の問題を一貫して追究。後者は作者により脚色(1950)され、アメリカ演劇史上、重要な作品とみなされている。その後はリウマチ熱のため健康が優れず、失敗作といわれるものが多い。彼女の文学は写実性と巧みなアレゴリー(寓意(ぐうい))のうえに成り立ち、主題の音楽的展開、グロテスクな人物や状況の設定を特色としている。[武田千枝子]
『渥美昭夫訳『結婚式のメンバー』(1972・中央公論社)』

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