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マナス manas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マナス
manas

サンスクリット語で心のこと。漢訳仏典では意と訳される。『リグ・ベーダ』では不滅の霊魂を言い表わす語であった。バイシェーシカ哲学ではマナスは原子大で身体に一つだけ存し,きわめて速く活動し,アートマンと感官との媒介をなすものとみられる。『アディヤートマ・ラーマーヤナ』や『マーンドゥーキヤ・カーリカー』では世界の動力因とも考えられている。

マナス
Manas

キルギスの基幹住民,キルギス人の代表的英雄叙事詩。民族の英雄マナスとその息子セメティ,マナスの孫セイテカの生涯と戦功の物語。 12世紀のカラ・キタイ (→西遼 ) ,15~18世紀のオイラート (瓦剌) の侵入と戦いを表しているといわれる。 19世紀後半,ドイツに生まれ,ロシアで活躍したチュルク学者 V.ラドロフによって採録され,その記録"Proben der Volksliteratur der nördlichen türkischen Stämme" (1885) が刊行された。

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世界大百科事典 第2版の解説

マナス【Manas】

キルギス族の英雄叙事詩。古来,キルギス族の間に口承で伝えられ,19世紀の中葉に,ロシアのCh.Ch.ワリハーノフやV.V.ラードロフによって初めて文字に採録されて以後,その本格的な研究が開始された。50万行を超えるこの膨大な史詩は,それを語り伝えたマナス誦(よ)みmanaschiによって,少なくとも18種類以上の異本が生み出されており,その原形が,いつ頃いかなる形でつくり出されたものであるかは,現在なお明らかでない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マナス
まなす / 瑪納斯

中国、新疆(しんきょう)ウイグル自治区北部、ジュンガル盆地の南縁にある県。天山山脈北麓(ほくろく)のオアシス地帯でマナス河が県内を北流する。牧畜をはじめ小麦やワタの栽培が盛んで、北西内陸綿作地帯の主産地をなす。1950年代、解放軍などにより砂地の開墾が進み、灌漑(かんがい)網が発達した。[駒井正一]

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世界大百科事典内のマナスの言及

【中央アジア】より

…遊牧民の間における文字の使用については,7世紀末~9世紀半ばの突厥文字,13世紀以降のモンゴル文字など,若干の例はあるにしても,中央アジアの遊牧民は,基本的には文字をもたぬ人びとであった。そのため彼らの間ではすぐれた口承文学が発達し,なかでも〈マナス〉〈アルパムシュ〉などの長大な英雄叙事詩は,口伝えに今日もなおキルギス,カザフなどのトルコ系遊牧民の間に伝えられ愛誦されている。 一方,南部のオアシス定住民の間では,前イスラム時代,シルクロードを経てもたらされた仏教,ゾロアスター教,マニ教,景教といった外来宗教が信奉され,それらの宗教の経典が,ホータン・サカ語,トカラ語など現地のインド・ヨーロッパ語族系の諸言語に訳出された。…

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