マルティアリス(英語表記)Marcus Valerius Martialis

百科事典マイペディアの解説

マルティアリス

ローマの詩人。スペイン生れ。《エピグラム集》(エピグラム)14巻によって,当時のローマ社会の種々な出来事や人物像を写実的,風刺的に描き,外見の下に隠れている虚偽と悪徳を鋭い洞察によりあばき出した。

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世界大百科事典 第2版の解説

マルティアリス【Marcus Valerius Martialis】

40ころ‐104ころ
ローマのエピグラム詩人。イベリア半島中部の町ビルビリスに生まれた。64年にローマに移り住み,同じくヒスパニア(スペイン)出身であったセネカや叙事詩人ルカヌスと交際をもつようになる。しかし,この二人は65年のネロ帝に対する陰謀事件に連座したため,彼らとの交わりは長くは続かなかった。マルティアリスは,その後,98年に至るまでローマに逗留し,フロンティヌスユウェナリス,シリウス・イタリクス,クインティリアヌス,小プリニウスら同世代の文人たちと親しく交わった。

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大辞林 第三版の解説

マルティアリス【Marcus Valerius Martialis】

40頃~104頃) ローマのエピグラム詩人。スペイン出身。短詩約一五六〇が一四巻にまとめられ、「エピグラム集」と呼ばれて伝存。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マルティアリス
まるてぃありす
Marcus Varelius Martialis
(40ころ―104以前)

古代ローマのエピグラム(寸鉄詩)詩人。スペインの生まれ。同地で教育を受けたのち、64年ごろローマに移り住み、同郷人セネカの家に身を寄せ、その死後文筆で細々と生計を支える。小プリニウス、クインティリアヌス、ユウェナリスら貴族や文人と交わりを深め、しだいに認められて、皇帝から騎士の身分を授けられる。80年コロセウムの開場に際して『見世物(みせもの)の本』を発表し、84年ごろの作品『クセニア』(贈り物)、『アポフォレタ』(土産(みやげ)物)によって名声を確立、85年以後『エピグラム集』12巻を順次発表する。しかし、大都会ローマでの生活に倦(う)み疲れ、98年ごろ故郷に帰り、後援者から贈られた土地で余世を送った。
 彼はもっぱらエピグラムとよばれる短詩を用いて人間の愚かさを風刺し、「私の本は人間の匂(にお)いがする」ことを誇りとしたが、友人ユウェナリスのような社会批判はみられない。その作品中には、ときに猥雑(わいざつ)な表現や権力者への卑屈な態度もみいだされるが、彼は鋭い洞察と引き締まった文体によってエピグラムを文学様式として完成し、白銀時代を代表する詩人の1人となった。[土岐正策]
『樋口勝彦訳『エピグラム集』(『世界名詩集大成1 古代・中世篇』所収・1966・平凡社) ▽藤井昇訳『マールティアーリス詩選――附録・ギリシア詞華集』(1964・大学書林)』

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世界大百科事典内のマルティアリスの言及

【ラテン文学】より

…またそのほかの散文作家には,小説《サテュリコン》の作者ペトロニウス,百科全書《博物誌》の著者の大プリニウス,《書簡集》を残した雄弁家の小プリニウス,農学書を残したコルメラ,2世紀に入って,《皇帝伝》と《名士伝》を著した伝記作家スエトニウス,哲学者で小説《黄金のろば(転身物語)》の作者アプレイウス,《アッティカ夜話》の著者ゲリウスなどがいる。 詩の分野ではセネカの悲劇のほかに,叙事詩ではルカヌスの《内乱(ファルサリア)》,シリウス・イタリクスの《プニカ》,ウァレリウス・フラックスの《アルゴナウティカ》,スタティウスの《テバイス》と《アキレイス》など,叙事詩以外ではマニリウスの教訓詩《天文譜》,ファエドルスの《寓話》,カルプルニウスCalpurniusの《牧歌》,マルティアリスの《エピグランマ》,それにペルシウスとユウェナリスそれぞれの《風刺詩》などがみられる。2世紀初頭に創作したユウェナリスのほかはすべて1世紀の詩人たちである。…

※「マルティアリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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