マンハイム楽派(読み)マンハイムがくは(英語表記)Mannheimer Schule [ドイツ]

精選版 日本国語大辞典 「マンハイム楽派」の意味・読み・例文・類語

マンハイム‐がくは【マンハイム楽派】

  1. 〘 名詞 〙 一八世紀半ばから後半にかけてマンハイム宮廷で活躍した音楽家総称。前古典楽派に属し、シュターミッツ中心とする。前古典期の重要な楽派一つで、優れた楽員を集めた宮廷楽団でも知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「マンハイム楽派」の意味・わかりやすい解説

マンハイム楽派 (マンハイムがくは)
Mannheimer Schule [ドイツ]

南西ドイツのマンハイムで栄えた前古典期の重要な楽派の一つ。一般に,音楽好きのファルツ選帝侯カール・テオドルが継位した1742年からバイエルン選帝侯としてミュンヘンに移った78年までを指す。とくに優秀な楽員を集めたその宮廷楽団は,統一されたボーイングと自在な強弱法など,当時の欧州随一の整然とした演奏能力を誇り,オーケストラ演奏とシンフォニア交響曲)の発展に多大の貢献をした。この宮廷楽団を育成したチェコ出身のシュターミツをはじめ,リヒターFranz Xaver Richter(1709-89),ホルツバウアーIgnaz Holzbauer(1711-83),さらにカンナビヒ,シュターミツの息子カールおよびアントンら,優れた作曲家,演奏家が輩出した。いわゆるマンハイム様式は,有名なクレッシェンド効果と音量の急激な対比,〈ため息動機〉と呼ばれる2度下行する短い音型や〈ラケーテン(打上げ花火)〉と呼ばれる勢いよく上行する分散和音の音型,のびのびとした旋律線,主題対比メヌエットを第3楽章に置く交響曲の4楽章制,クラリネット導入などを特徴とする(ただしこれらは必ずしもマンハイム起源のものではない)。モーツァルトベートーベンなどに与えた影響は大きい。
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