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ミオシン ミオシンmyosin

翻訳|myosin

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ミオシン
ミオシン
myosin

筋原線維に含まれ,筋収縮に関与する蛋白質で,アクチンと結合してアクトミオシンをつくっている。2本のペプチド鎖から成り,形態的にみると,頭部と尾部とに分れ,トリプシン分解では,重いメロミオシン (頭部と尾部の一部を含む) と軽いメロミオシン (尾部の一部) に分れ,パパイン分解では短い尾部をつけた頭部と残りの尾部とに分れる。

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デジタル大辞泉の解説

ミオシン(myosin)

筋肉の筋原線維を構成する主要たんぱく質の一つで分子モーターの一種。分子が糸状につながった形(ミオシンフィラメント)で存在。分子の一部が酵素として働いてATPアデノシン三燐酸(りんさん))を分解し、そのときに得られるエネルギーアクチンフィラメントと互いに滑り込んで重なり、筋収縮を生じさせる。また、筋肉以外の細胞にも存在し、細胞分裂などに重要な役割を果たしている。

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百科事典マイペディアの解説

ミオシン

筋肉を構成する分子量約50万の二つの頭部をもつ棒状のタンパク質。重合してミオシンフィラメントAフィラメント)を形成する。頭部にはATPアーゼ活性があり,筋肉の収縮は,これでATPを分解しながらアクチンフィラメントと反応することによって起こる。
→関連項目グロブリン

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栄養・生化学辞典の解説

ミオシン

 筋肉の主要なタンパク質で,筋収縮において重要な役割を果たしている.横紋筋の顕微鏡で暗くみえる部分,すなわちAバンドにあり,軽鎖(分子量15〜27k)とよばれる鎖4本,重鎖(分子量約220k)とよばれる鎖2本で構成されている.ATPアーゼ活性をもつ.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

ミオシン【myosin】

筋肉を構成するタンパク質の一つ。筋繊維に含まれる筋原繊維を構成するタンパク質の約60%がミオシンであり,脊椎動物の骨格筋では長さ約1.5μ,太さ約150Åのミオシンフィラメント(これをAフィラメントという)を形成している。ミオシンは分子量約50万で,長さ約1500Åの棒状の部分と2個の頭部からなり,適当な条件下で自動的に集合してミオシンフィラメントを形成する性質がある。このとき,棒状の部分はフィラメントの軸を形成し,頭部は外に突き出して架橋となる。

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大辞林 第三版の解説

ミオシン【myosin】

筋原繊維を構成する主要なタンパク質の一。複雑な繊維構造を形成して ATP を加水分解する酵素活性をもち、その際生ずるエネルギーでアクチン上を滑るように筋収縮を起こす。平滑筋にも分布し、白血球など遊走細胞の細胞運動全般にも関与する。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ミオシン
みおしん
myosin

筋肉を構成するタンパク質の一つで、1942年セント・ジェルジーによって単離された。アクチンとともに、筋原線維(筋線維内に多数縦走する円筒状の微細構造)の主要な構成要素で、ウサギの骨格筋では筋原線維タンパク質の50%前後を占める。サルコメア(筋原線維中の線維方向にみられる繰り返しの単位)の太いA-フィラメント(長線維)は200~400個のミオシン分子からなり、濃い中性塩溶液に溶け、水で薄めると沈殿する。このとき、ミオシンが重合して幅15ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)、長さ300~2000ナノメートルのフィラメントができる。ミオシンの分子量は約48万で、分子量約22万のH鎖2本と分子量2万前後のL鎖4本に分けられる。分子の形は頭が二つあるマッチ棒のようで、頭はすこし傾き、軸はなかばで折れ曲がっている。長さ160ナノメートル、直径2ナノメートルとされている。温和な条件でトリプシン処理すると、ATP加水分解酵素(ATPアーゼ)活性とアクチン結合能をもつ頭の部分(H=ヘビー-メロミオシンといい、分子量約36万、水溶性)と、ミオシンに会合性および水不溶性をもたらしている軸の部分(L=ライト-メロミオシンといい、分子量約10万)とに切断される。H-メロミオシンはさらに10~11万のS-1と約6万のS-2に分解される。S-1はミオシンの二つの頭の一つに相当し、アクチンとの結合部位、ATPアーゼ活性中心をもつ。
 筋肉の収縮は、A-フィラメントをつくる多くのミオシンの頭がアクチンからなる細い-フィラメントを手繰り寄せ、A-フィラメントの中央へ滑り込ませることによって生じると考えられている。ATPアーゼ活性はアクチンが共存するときに高くなる。なお、ミオシンは筋肉に限らず、ほかの多くの細胞内にも存在しており、非筋ミオシンとよばれている。[野村晃司]
『科学編集部編『生物科学の新しい展開――分子から細胞へ』(1987・岩波書店) ▽上代淑人・矢原一郎編『細胞増殖・細胞運動』(1989・丸善) ▽新井健一編『水産動物筋肉タンパク質の比較生化学』(1989・恒星社厚生閣) ▽日本生化学会編『新・生化学実験講座1 タンパク質(3) 高次構造』(1990・東京化学同人) ▽神谷律・丸山工作著『細胞の運動』(1992・培風館) ▽James Darnell他著、野田春彦他訳『分子細胞生物学』下(1993・東京化学同人) ▽日本水産学会監修、西田清義編『魚貝類筋肉タンパク質――その構造と機能』(1999・恒星社厚生閣) ▽大野秀樹他編『Q&A 運動と遺伝』(2001・大修館書店) ▽日本水産学会監修、関伸夫他編『かまぼこの足形成――魚介肉構成タンパク質と酵素の役割』(2001・恒星社厚生閣)』

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世界大百科事典内のミオシンの言及

【ATPアーゼ】より

…すなわち生体は,常になんらかの物理的仕事に対するエネルギーの供給と共役したかたちでATPを分解するように造られており,ATPがむだに加水分解されることはない。たとえば筋肉の収縮タンパク質であるミオシンは機械的仕事と共役したATPアーゼの一つであり,反応過程におけるそれ自身の高次構造変化やアクチンとの相互作用などを通じて,ATPのエネルギーを筋収縮の仕事に変換する機能をもっている。一方,筋小胞体と呼ばれる筋肉の細胞器官の膜に大量に存在する別種のATPアーゼは,ATPの分解に先立って細胞質中のCa2+イオンを強く結合し,小胞体内のCa2+濃度が細胞質より高い場合でも,ATPの分解とともにそれを膜の内腔に輸送する性質を示す。…

【筋収縮】より

…平滑筋の収縮は交感神経と副交感神経によって調節されており,一方が収縮を他方が弛緩をおこすが,そのしくみには不明な点が多い。
[脱分極と収縮との関係]
 筋収縮は,筋フィラメントを形成するタンパク質アクチンミオシン間の反応によるものであり,このエネルギー源はATPである(図2)。静止状態の筋肉では,アクチンとミオシン間の反応がトロポミオシンおよびトロポニンというタンパク質によって抑制されているので収縮はおこらない。…

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