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デジタル大辞泉
「ミクロネシア人」の意味・読み・例文・類語
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ミクロネシア人
ミクロネシアじん
Micronesian
太平洋の赤道以北,マリアナ,カロリン,マーシャル,ギルバートの各諸島の住民。褐色の肌と短身,縮毛ないし波状毛をもつが,形質的特徴は島ごとにかなり異なる。おおむね根菜類やパンの木,バナナ,ココやしなどの栽培と漁労を組合せて行なっていること,一部の地方を除けば母系制をとること,階層分化が進行し,権力の性格に相違はあるが,全般的に首長制が存在していたことなどの共通点をもつが,一般にミクロネシアはポリネシアほどの文化的一様性をもたないといわれる。たとえば,西部で使用していた土器を東部では知らず,代りにウム料理を行なっていたこと,ビンロウの実を噛む習慣は西部にのみみられること,またポナペ島,コスラエ島では,ポリネシア全般に好まれているカバという飲料を用いていることなどがあげられる。言語も地域ごとに存在するいくつもの言語をミクロネシア諸語として統括することはできず,インドネシア語派に属するもの,メラネシア語派に属するものなどがあり,またそのうちでもポリネシア語やパプア語の影響を強く受けているものもある。
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ミクロネシアじん【ミクロネシア人 Micronesian】
西太平洋のミクロネシアの島々に住む人びと。低身長,やせ形,褐色の皮膚,薄い唇,黒髪,直毛などの身体的特徴から,人種上,モンゴロイドとみなされている。しかし変異も大きく,パラオ諸島とヤップ島の住民は黒色,縮毛ないし波状毛,広鼻などの特徴から,メラネシア人(オセアニック・ニグロイド)に近似する。言語も地域による差はあるが,いずれもアウストロネシア語族に属する。ミクロネシアの主要な栽培作物はタロイモ,パンノキ,ココヤシで,ヤップ島とポナペ島ではヤムイモが加わる。
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世界大百科事典内のミクロネシア人の言及
【オセアニア】より
…身分制はまた,神話によっても合理化されていた。(4)ミクロネシア人 ミクロネシア人はモンゴロイド人種に属し,東部ほどポリネシア人に近く,西部ほどフィリピンもしくはインドネシア人に近い。中・東部カロリン諸島とマーシャル諸島およびギルバート諸島は,核ミクロネシアの名で総称され,これら諸島の言語はメラネシア諸語およびポリネシア諸語とともにアウストロネシア語族の東部群を構成する。…
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