メイ(恐竜)(読み)めい

日本大百科全書(ニッポニカ)「メイ(恐竜)」の解説

メイ(恐竜)
めい
[学] Mei long

竜盤目獣脚類(亜目)テタヌラ類(下目)鳥獣脚類Avetheropodaコエルロサウルス類Coelurosauriaマニラプトル形類Maniraptoriformesマニラプトル類Maniraptoraエウマニラプトル類Eumaniraptoraトロオドン科Troodontidaeに属する恐竜

 中国東北部の遼寧(りょうねい)の白亜紀前期の地層、熱河層群(ねっかそうぐん)(熱河生物群)から、頭を(ひじ)の下にたくし込んで、鳥類に特有の寝姿をとった新属新種の肉食恐竜の化石が発見され、「メイ・ロング」と命名されたのは、2004年10月のことであった。それより前に、卵を抱いて温めていたと思われる恐竜化石が発見されているが、それに続き、鳥類の特徴とされる行動が恐竜にも始まっていたらしいことを示唆している実例であった。学名の由来は、中国語で「安らかに眠る」という意味からきたもの。推定全長は53センチメートル。

 化石は全身骨格で、頭を左肘の下にたくし込み、足首や膝(ひざ)を体の下に入れていた。骨はほとんど脱臼(だっきゅう)しておらず、生きていたときの姿勢のままと考えられている。骨の状態からはまだ成長の途中であったとされている。手足を折りたたみ、しっぽを折り曲げて胴体に密着させ、頸(くび)を後ろに向けて、頭を背中の上に乗せていた。骨格はトロオドン類の原始的形態である。体を丸めることは、外気と接する面積を減らすことができるため、鳥類や哺乳(ほにゅう)類のような恒温動物にとって重大な、体温の低下を防ぐ効果がある。メイはある程度の恒温性を進化させていた可能性がある。

 標本が発掘された地層の堆積(たいせき)物は、火山灰が降り積もってできた凝灰岩であるので、化石の保存状態がよく、休息か睡眠の姿勢がそのまま残されたと考えられる。

[小畠郁生]

『真鍋真監修、朝日新聞社事業本部編「恐竜博2005 恐竜から鳥への進化」(カタログ。2005・朝日新聞社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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