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ヤエムグラ

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百科事典マイペディアの解説

ヤエムグラ

アカネ科の二年草。アジアヨーロッパアフリカの温帯に広く分布し,平地にはえる。茎は4稜があり,長さ1m,稜には下向きのとげがあり,細い倒披針形の葉を数枚輪生する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヤエムグラ【Galium spurium L.var.echinospermon (Wallr.) Hayek】

山野にごく普通なアカネ科の一年草または二年草で,庭や畑にも多い(イラスト)。古い時代にヤエムグラといわれたのは本種ではなく,アサ科のカナムグラとする説がある。茎は四角く,小さい逆刺があり他物にからまって伸び,長さ1mに達する。葉は線形で,長さ1~3cm,6~8枚が輪生状につく。葉にも逆刺があり衣服につきやすく,輪生葉を勲章などとして遊ぶ。5~6月ころ,枝の先に小花を多数つける。花冠は淡黄緑色,先は4裂し,直径2mm。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤエムグラ
やえむぐら / 八重葎
[学]Galium spurium L. var. echinospermon (Wallr.) Hayek

アカネ科の一年草または越年草。茎はよく分枝し、4稜(りょう)がある。稜に生える下向きの刺(とげ)が、他物に絡まって伸び、60~90センチメートルになる。葉は6~8枚が輪生し、狭い披針(ひしん)形で長さ1~3センチメートル。輪生する葉のうち、腋(えき)から枝を出す2枚が本当の葉で、ほかは托葉(たくよう)が葉状になったものである。5~6月、葉腋や茎の先に多数の小さい花をつける。花冠は径1ミリメートル、黄緑色で4裂する。果実は二つの球がくっついたようになっていて、二つに割れ、鉤(かぎ)状の刺により衣服などについて散布される。北海道から沖縄の、人家の近くの藪(やぶ)、畑などに生える。アジア、ヨーロッパ、アフリカに広く分布する。[福岡誠行]

文化史

ヤエムグラの名は『万葉集』の巻11に2首詠まれ、「八重六倉(やへむぐら)おほへる小屋(をや)」などと、自分の家を卑下する描写に使われている。恵慶(えぎょう)法師は「八重葎(やへむぐら)茂れる宿の寂しきに人こそ見えね秋は来にけり」(『拾遺(しゅうい)和歌集』)と詠み、秋に茂るヤエムグラを取り上げる。現在のヤエムグラは越年一年草で、春には繁茂するが、夏に枯れ、秋は目だたない。『万葉集』には、単にムグラも「牟具良生(むぐらふ)のきたなき屋戸(やど)」(巻4)、「牟具良はふいやしき屋戸」(巻19)と、ヤエムグラ同様に用いていることからして、いにしえのヤエムグラは特定の植物ではなく、重なりあって茂った雑草とする見方がある。また、秋に茂るクワ科のカナムグラをあてる説もある。[湯浅浩史]

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