ヤコウチュウ(夜光虫)(読み)ヤコウチュウ(英語表記)Noctiluca scintillans

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤコウチュウ(夜光虫)」の意味・わかりやすい解説

ヤコウチュウ(夜光虫)
ヤコウチュウ
Noctiluca scintillans

原生生物界アルベオラータ門ヤコウチュウ科。体は直径 1mm内外の球形で,原形質中心部に集まり,そこから網目をつくりながら放射状原形質糸周囲に伸びている。腹面は落ち込んでいてそこに縦溝があり,その中央部に口がある。縦溝の終わった部分から太く長い触手が出ている。渦鞭毛虫類は一般に 2本の鞭毛をもつが,本種では 1本である。色素体はない。暖海性プランクトンとしてきわめて普通に見られ,刺激により発光する。原形質が淡紅色なので,異常に増殖すると桃色赤潮を示す。日本各地の沿岸で見られ,世界に広く分布する。

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百科事典マイペディア 「ヤコウチュウ(夜光虫)」の意味・わかりやすい解説

ヤコウチュウ(夜光虫)【ヤコウチュウ】

原生動物植物性鞭毛(べんもう)虫綱。体は球形で直径1〜2mm内外。原形質が中心部から周囲に向かって網目状に伸びる。色素体はなく,鞭毛が1本と触手が1本。波などにゆられるとその刺激で発光するためこの名がある。日本近海に最も普通なプランクトン一種。春〜初夏に異常増殖して赤潮をおこすことがある。

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