ヤブカ(英語表記)Aedes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヤブカ
Aedes

双翅目科ナミカ族ヤブカ属に属する昆虫の総称。が細く湾曲しないこと,翅の裏面基部に毛がないこと,気門剛毛はないが気門後剛毛があることなどで同族の他属から区別される。なお本属のなかでもシマカ亜属に属する種は,たとえばネッタイシマカなどのようにヤブカとは呼ばない。一方,オオクロヤブカ Armigeres subalbatusのように別属でもヤブカの名で呼ばれるものもある。日本にはヒトスジシマカ (仙台以南) ,トウゴウヤブカ A. togoi (日本全土) など 41種ほどが知られている。 (→ )

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百科事典マイペディアの解説

ヤブカ

双翅(そうし)目カ科,オオクロヤブカ属とシマカ属の一群の昆虫の総称。日本に40余種あり,ヒトスジシマカ(シマカ),トウゴウヤブカ,オオクロヤブカなどで代表される。成虫は日陰の草むらに多く,雌は主として昼間かたそがれ時に吸血する。幼虫は普通,たまり水に発生するが,オオクロヤブカは肥だめ,キンイロヤブカは水田に発生する。卵塊は作らず,卵で越冬する種類が多い。
→関連項目カ(蚊)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤブカ
やぶか / 藪蚊

昆虫綱双翅(そうし)目糸角亜目カ科ヤブカ属Aedesの昆虫の総称。本属はカ科中最大の属で多くの種類を含み、吸血昆虫や伝染病媒介昆虫として問題となるものが多い。小・中形のカで、多くは黒色で白い縞(しま)模様を装う。口吻(こうふん)は先端まで同じ太さで、雌の小顎肢(しょうがくし)は口吻の長さの4分の1より短い。気門剛毛を欠く。気門後剛毛や胸側板上の毛はよく発達している。後脚腿節(たいせつ)に7~10本のけづめ状長剛毛をもつ。卵は黒色で1個ずつばらばらに産下される。幼虫は太く短い呼吸管をもち、その長さは幅の4倍以下、普通は2倍以下。呼吸管棘(きょく)をもち、呼吸管毛は1対で呼吸管の中央より末端にかけて生ずる。
 成虫の雄外部生殖器の構造が分類に重要であり、これにより27亜属に細分されているが、このうち日本にはカニアナヤブカ亜属Geoskusea、セスジヤブカ亜属Ochlerotatus、トウゴウヤブカ亜属Finlaya、エゾヤブカ亜属Aedes、フトオヤブカ亜属Verrallina、シマカ亜属Stegomyia、キンイロヤブカ亜属Aedimorphusの7亜属が産する。セスジヤブカ亜属は黄褐色から黄白色のカで、150種くらいが北半球の温帯や寒帯に分布する。幼虫は雪解け水のたまりに発生する。北海道や尾瀬(おぜ)、白山(はくさん)、立山(たてやま)など本州の高地にセスジヤブカA. dorsalis、ハクサンヤブカA. hakusanensisなど10種が産する。トウゴウヤブカ亜属は190種くらいが東アジアの温帯から熱帯に分布し、成虫は中胸背に白い斑点(はんてん)紋様をもつ。幼虫は樹洞や岩穴に発生する。河床の岩穴に発生するA. hatoriiや海岸の岩穴に多発するトウゴウヤブカA. togoiなど日本には11種が産する。カニアナヤブカ亜属は暗褐色のカで、オーストラリア、南太平洋にかけて9種が知られ、幼虫はカニ穴に発生し、成虫もこの中に生息する。日本にはカニアナヤブカA. baisasiが西表(いりおもて)島から1種記録されている。シマカ亜属は中胸背に明瞭(めいりょう)な銀白色または黄白色の紋様をもつカで、ネッタイシマカなど医学上重要な熱帯病を媒介するカを含む。[倉橋 弘]

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