ヨウム(英語表記)African grey parrot
Psittacus erithacus

共同通信ニュース用語解説 「ヨウム」の解説

ヨウム

アフリカ原産の大型インコ一種。体長30センチほどで、人間の5歳児以上と言われるほど知能が高い。ペットとして人気があり、1980~2000年にアフリカの国立公園内で90万羽近くが捕獲されたとの推計もある。17年から、ワシントン条約で野生個体の国際取引が原則禁止されており、人工繁殖させた個体を取引する場合は、その証明書が必要になる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ヨウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウム (洋鵡)
African grey parrot
Psittacus erithacus

オウムオウム科の鳥。全長約33cm。全体が灰色をした中型のインコ。腰は灰白色,風切は黒く,尾羽は赤い。西・中央アフリカ熱帯降雨林に群れをつくってすみ,樹冠部を飛びまわって,果実を見つけて食べる。ときには森林近くの農耕地に出て,穀物を荒らすこともある。繁殖期にはつがいに分かれ,天然の樹洞をそのまま利用するか,あるいはくちばしで広げて巣穴にし,1腹2個の卵を産む。この鳥は,ヨーロッパで古くから飼育され,インコ類の中でももっとも物まねがうまく,才知に富む鳥として有名である。ヨウムの物まねのうまさについては,すでに古代ギリシアやローマ時代の書物にも書かれているほどである。人のことばや会話をまねるだけでなく,笑ったり,歌をうたったり,また口笛,イヌ,ネコ,他の鳥の鳴声やさまざまな機械の音までも巧みにまねるが,単にことばを機械的にまねているのではなく,まねたことばの意味やまねたときの状況をある程度,理解している。

 飼い方は他のインコ類と同様であり,カナリーシード,ミレット,ヒマワリの種子,果実などを与える。日本にもときどき輸入される。白変種などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウム
Psittacus erithacus; grey parrot

インコ目インコ科。全長 28~39cmの中型から大型のインコ。眼のまわりは白い皮膚が裸出し,頭部下腹部,腰は灰白色,尾は赤色,の羽は黒色で,体のほかの部分は灰色。と脚は黒い。アフリカケニアからナイジェリアガーナリベリアにかけて分布する。森林中に生息し,ほぼ一年中群れになって生活している。羽色が美しいことやものまねが上手なことなどから,古くから飼鳥として捕獲され,今日では生息数はかなり減少している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウム
ようむ / 洋鵡
grey parrot
[学] Psittacus erithacus

鳥綱オウム目オウム科の鳥。アフリカの森林に生息し、古くからヨーロッパに輸入され飼い鳥として著名であるが、日本では多くは飼われない。人語のまねでは、南アメリカ産のボウシインコ類をしのぎ1位とされる。全長33~40センチメートル。全体に淡灰色で、頸(くび)、胸にかけ羽縁が鱗(うろこ)状に淡色となり、上下尾筒と短い尾が赤い。目の周囲から嘴(くちばし)にかけて白色をした特有の顔をなし、嘴は黒色。羽色変異としてムジヨウムなど4型があり、ほかにコイネズミヨウムという亜種がある。

[黒田長久]

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知恵蔵mini 「ヨウム」の解説

ヨウム

ケニアからナイジェリア、ガーナ、リベリアにかけてのアフリカ西海岸の森林地帯に分布するインコ目インコ科のインコの一種で、学名はPsittacus erithacus。全長は30〜40センチメートル前後と大型で、体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれ、風切り羽根は黒色である。顔面部には羽毛がなく白く、くちばしは黒い。知能が高く、人の言葉をよく覚える種として知られており、日本でもペットとして人気がある。2016年5月2日、ヨウム生息国の一つであるガボンがヨウムの国際取引禁止を提案し、同年9月に南アフリカで開かれるワシントン条約の締約国会議において、議論されることになった。この提案に対し、EU(欧州連合)は支持を表明し、米国も支持する方針でヨウムの国際取引が禁止される公算が大きくなった。

(2016-5-10)

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百科事典マイペディア 「ヨウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウム

オウム科の鳥。翼長23cm,体は灰青色で,尾羽と下尾筒は鮮紅色。熱帯アフリカに分布し,1対または大群をなして生活。果実,種子,穀物などを食べる。オウム,インコ類中,最もよく人語をまねる鳥として知らる。
→関連項目オウム

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世界大百科事典(旧版)内のヨウムの言及

【オウム(鸚鵡)】より

…オウム・インコ類は,羽色が美しく,動作がおもしろいのみならず,ものまねもでき,人になれやすいなどの特徴をもっているために,ギリシア・ローマ時代以前から飼鳥として親しまれてきた。人間のことばをまねる能力はどの種も多少もっているが,なかでもアフリカ産のヨウム(イラスト)と南アメリカ産のボウシインコ類(イラスト)は,単語だけではなくて,会話や口笛,他の動物の鳴声から機械の音にいたるまで,たいへんじょうずにまねることで知られている。 オウム・インコ類は,アフリカ,アジア,オーストラリア,中南米に約320種が分布し,7亜科に分けられている。…

※「ヨウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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