ヨードホルム(英語表記)〈ドイツ〉Jodoform

デジタル大辞泉 「ヨードホルム」の意味・読み・例文・類語

ヨードホルム(〈ドイツ〉Jodoform)

エチルアルコールまたはアセトンに水酸化アルカリ沃素ようそを加えて熱すると得られる黄色の結晶。特有の臭気があり、水に溶けず、アルコールに溶ける。防腐剤消毒剤などに利用された。化学式CHI3 トリヨードメタン

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精選版 日本国語大辞典 「ヨードホルム」の意味・読み・例文・類語

ヨードホルム

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Jodoform ) 黄色の板状結晶。化学式 CHI3 傷に塗ると殺菌作用があるため、かつては外用に供されたが、極めて著しい臭気があるため現在ではあまり用いられない。
    1. [初出の実例]「小鼻の辺に怪き腫出の沃度保爾母(ヨードホルム)臭い大年増」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉一二)

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化学辞典 第2版 「ヨードホルム」の解説

ヨードホルム
ヨードホルム
iodoform

triiodomethane.CHI3(393.76).ヨウ化アルカリの含水アルコールまたはアセトン溶液を電気分解するか,アセトンにアルカリとヨウ素を作用させると得られる.特異の臭気をもつ黄色の板状晶.融点119 ℃.4.008.水,ベンゼンに不溶,有機溶媒可溶.上記の合成反応はヨードホルム反応とよばれ,アルコールやアセトンの検出に用いられる.創傷の防腐剤として外用されていた殺菌・消毒剤.劇薬.LD50 630 mg/kg(マウス皮下).[CAS 75-47-8]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨードホルム」の意味・わかりやすい解説

ヨードホルム
iodoform

トリヨードメタン。化学式 CHI3 。融点 120℃。特別な臭気のある黄色粉末。水にはごくわずかに溶け,アルコール,エーテルに可溶。創傷面の消毒に用いられたことがある。エチルアルコール,アセトンなどにアルカリ水溶液を加え,さらにヨウ素 (またはヨウ化カリウム酸化剤) を加えるとヨードホルムの黄色沈殿を生じる。エチルアルコール,アセトンなどの CH3CH(OH)-,CH3CO- を検出するヨードホルム反応は,この反応を利用している。

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百科事典マイペディア 「ヨードホルム」の意味・わかりやすい解説

ヨードホルム

化学式はCHI3。特有の臭がある黄色の結晶。融点119℃。水に不溶,エタノールに可溶。光,熱,アルカリにより分解。分解して発生するヨウ素が殺菌作用を示すため,外傷の防腐剤として使用。エタノールまたはアセトンにヨウ素とアルカリを作用させるなどの方法でつくる。

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