ラグビー
球技の一種。正式にはラグビー・フットボールrugby football。ラガーruggerもラグビーの別称。1823年英国のパブリック・スクールであるラグビー校でのフットボール(現在のサッカーの原形)の試合中エリス少年William Webb Ellis〔1807-1872〕がボールをかかえて走ったのが契機となって生まれたといわれているが,異説もある。各15名からなる2チームで対戦し,独特の楕円(だえん)状のボールを奪い合い,トライまたはゴールによる得点を競う。ボールを持って走り,自分よりうしろの者にパスしたり,キック,ドリブルなどにより前進。守備側は相手のキック,ドリブルのボールを取ったり,相手のパスをインターセプトして直接反撃するほか,ボールを持った相手にタックルして防御する。密集してボールを奪い合うラック,モールのほか,レフェリーに命ぜられて両チームのフォワードが組むスクラムがある。ラック,スクラムの際にはボールを手で扱うことはできない。相手側のインゴールに適法にボールをつけると5点(トライ),トライした地点からタッチ・ラインに平行な線上にボールを置いてキックし,ボールがクロスバーを越えれば2点(ゴール)追加し計7点。相手の反則によるペナルティキックでボールがクロスバーを越えれば3点(ペナルティゴール),競技中にボールを地面にバウンドさせてからキックしクロスバーを越えれば3点(ドロップゴール)。競技時間は前後半各40分,ハーフタイム10分。なお,7人制のセブン・ア・サイドやプロの13人制で行うリーグラグビーなどもある。ラグビーはこれまで厳格なアマチュア規定を守ってきたが(アマチュアリズム参照),1995年からアマ・プロのオープン化がなされることになった。オリンピック種目としては1900年のパリオリンピック,1908年のロンドンオリンピック,1920年のアントワープオリンピック,1924年のパリオリンピックで実施されたが,その後長く採用されなかった。2016年のリオデジャネイロオリンピックから7人制ラグビーが実施されることになった。2020年の東京オリンピックでも正式種目となっている。
→関連項目オール・ブラックス|フットボール
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ラグビー
rugby football
15人編成の 2チームが,楕円形のボールを手や足で扱い,相手のインゴールにボールを持ち込むトライ,ドロップキックによってクロスバーを通過させるドロップゴールなどによって点を取り合う球技。ラグビーフットボールの略称。1823年イギリスのラグビー・スクールでのフットボールの試合中,ウィリアム・ウェッブ・エリス少年がボールを持ったままゴールに走ったことをきっかけにして生まれたものといわれる。1871年イングランド・ラグビーユニオン RFUが設立され,以後盛んになった。日本へは 1899年イギリス人エドワード・ブラムウェル・クラークと田中銀之助によって紹介され,1926年日本ラグビー蹴球協会(のちの日本ラグビーフットボール協会)が設立された。競技場はタッチライン 100m以内(デッドボールラインまでを含めると 144m以内),ゴールライン 70m以内の長方形で,ゴールライン中央に 2本のゴールポストに渡した高さ 3mのクロスバーを設置する。競技時間は国際試合では 40分以内ずつ前後半に分けて行ない,間に 15分以内の休憩を設ける。チームはフォワード 8人,バックス 7人で構成され,フォワードはスクラムを組むなど狭い範囲でボールを奪い合うときにまとまって動く。バックスは広い範囲を走り,ボールを効果的に回す。いずれのポジションの選手もボールをパスしたり,キックしたり,あるいはボールを持って走ることができる。審判員はレフェリー 1人,タッチジャッジ(またはアシスタントレフェリー)2人。ルールは毎年,ラグビーの国際組織であるワールドラグビー World Rugbyの総会で見直しが検討される。15人制はアマチュアゲームとして始まったものでラグビーユニオンと呼ばれ,プロフェッショナルなゲームとして始まった 13人制のラグビーリーグがある。7人制ラグビーもある。
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ラグビー
〘名〙 (Rugby) 球技の一つ。一五人ずつ二組が楕円形のボールを相手のゴールライン内の地面にボールをつけるか、またはペナルティキック・ドロップキックなどによって得点を争う球技。ボールは蹴るだけでなく、持って走ることができる。7人制も競技として行なわれる。ラグビーフットボール。
ラ式蹴球。《季・冬》 〔音引正解近代新用語辞典(1928)〕
[
補注]一八二三年、英国ラグビー校の生徒W=エリスが、フットボールのルールを無視してボールをかかえてゴールに走りこんだ
プレーに
起源を持つとされる。しかし、当時はサッカー、ラグビーを含めたフットボールに統一的なルールはなかった。競技ルールを統一していく過程で分裂し、サッカーは一八六三年にラグビーは一八七一年にそれぞれ別個のスポーツとして確立された。
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ラグビー(rugby)
フットボールの一種。15人ずつの2チームが、一定の規則のもとに、楕円形のボールを奪い合い、相手のゴールライン内の地面にボールをつけるか(トライ)、またはペナルティーキック・ドロップキックなどによって得点を争う競技。英国のラグビースクールの学生がフットボールの試合中に、ルールを無視してボールを抱えて走り込んだところから、1823年に始まったものといわれる。ラ式蹴球。ラグビーフットボール。闘球。《季 冬》「―や青雲一抹あれば足る/草田男」
[補説]得点の種類と点数
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ラグビー
ラグビー(Rugby)▼英国ウォリックシャーの都市。「ラグビー・フットボール(rugby football)」は、この地の有名なパブリックスクール(主として上・中流階級の子弟のための寄宿制私立中等学校)、ラグビー校(Rugby School)が発祥の地で、初めて競技が行われたのは一八二三年のこと。
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ラグビー
スイスの作曲家アルチュール・オネゲルの管弦楽曲『交響的楽章』第2番(1928)。原題《Rugby》。ラグビーを音楽で表現することを試みた作品として知られる。
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ラグビー【rugby】
球技の一種で正称を〈ラグビーフットボールrugby football〉という。ラグビーという名称は,イギリスのパブリック・スクールの校名(ラグビー校)にちなんで名づけられたもの。ラグビーには(1)アマチュアのラグビーである〈ユニオンラグビーunion rugby〉(15人制または7人制)と,(2)プロフェッショナルのラグビーである〈リーグラグビーleague rugby〉(13人制)とがある。ラグビー創始以前のフットボールについては〈サッカー〉の項を参照されたい。
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世界大百科事典内のラグビーの言及
【オフサイド】より
…サッカーやラグビーやアメリカン・フットボールなどのフットボール系統の競技や,ホッケーやアイスホッケーといったスティックを使う球技,それに水球などで,相手ゴール方向への行動を制約している規定。一般的にボール(アイスホッケーではパック)を支配保持していないプレーヤーが対象で,ボールよりも前方の,ルールに定められた侵入禁止地域やプレー禁止地域に位置すること,およびその地点でプレーする反則をいう。…
※「ラグビー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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