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ラドクリフ・ブラウン Alfred Reginald Radcliffe‐Brown

世界大百科事典 第2版の解説

ラドクリフ・ブラウン【Alfred Reginald Radcliffe‐Brown】

1881‐1955
イギリスの社会人類学者。1920年代以降のイギリス社会人類学の創設,確立期に指導的な位置にあった。社会人類学を,自然科学の持つ厳密性を備えた学問とするべく,理論的な整理と展開を行った。同時期のマリノフスキーとは学問的立場は異にしながらも,ともに現在の英国社会人類学の祖と考えられている。バーミンガムに生まれ,ケンブリッジ大学に学んだ彼は,リバーズの弟子として,インド洋のアンダマン諸島(1906‐08),オーストラリアのアボリジニー(1910‐12)の調査を行い,それらの研究を進める中で,1910年ころからそれまでのリバーズたちの進めてきた民族学,とくに伝播主義的側面および歴史再構成的方法と決別し,フランス社会学のデュルケームの方法を取り入れ,諸社会間の比較を可能にする〈社会学〉的な人類学の確立を目ざした。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のラドクリフ・ブラウンの言及

【社会人類学】より


[歴史]
 社会人類学を一つの学派として見たとき,それはイギリス流構造機能主義と,少なくともある時期までは同義であった。この学派は1920年代の初めから活躍しだしたマリノフスキーラドクリフ・ブラウンという,その理論的方向が決して同じではなく,あるときには対立的でもあった2人をその祖として始まった。それぞれの最初の主たる著作(マリノフスキーの《西太平洋の航海者たち》,ラドクリフ・ブラウンの《アンダマン島人》)を同じ年(1922)に出版した後,20年代,30年代には,マリノフスキーはイギリスにおいて,ラドクリフ・ブラウンは南アフリカ,オーストラリア,アメリカにおいてそれぞれ研究活動を続けるとともに,後進の指導,言い換えれば社会人類学者の育成を行った。…

【親族名称】より

…しかしE.デュルケームはこれを批判し,クロウ型は母系出自と,オマハ型は父系出自と関連すると指摘した。 A.R.ラドクリフ・ブラウンはこうした仮説を批判しながら,親族名称と社会的行動の両方を含む親族体系という概念を発達させ,親族名称と親族間の特殊な権利・義務との双方の基盤となる構造的諸要因を抽出しようと試みた。単一の社会学的原理と親族名称との直接の機能的関連を否定したマードックは,社会学的諸原理が相互に影響しあいながら親族名称と対応してゆくとして,親族名称を出自,分族制,婚後居住規制,規定的縁組などの社会学的諸原理と組み合わせて11の型を設定した。…

【文化人類学】より

…ドイツ,オーストリアはもとより,イギリスにおいてもアメリカにおいても,異民族・異文化に関する研究の初期には,こうした意味での民族学的傾向が顕著であった。社会人類学は,イギリスにおけるこの学派の創始者であるA.R.ラドクリフ・ブラウンによれば,人間の社会関係の分析に重点を置いた理論科学であり,比較社会学とも呼ばれる。彼によれば,文化は直接的な観察の不可能な抽象概念であるとして研究対象からしりぞけられ,具体的に観察できる人間の行為を介してとらえられる社会関係が,分析と理論化の対象とされる。…

【孫】より

…直系型家族は家族内の人間関係として,夫婦関係,親子関係,兄弟姉妹関係のほかに祖父母と孫の関係があり,これが家族の強固な統合を形成するうえで強い機能を果たしている。 イギリスの社会人類学者ラドクリフ・ブラウンは親子関係のように隣接する世代間の人間関係はしばしば対立的関係であるとして,このような傾向を世代原理と呼んだ。これに対して2世代はなれた祖父母と孫の関係はつねにきわめて親和的であり,これを隔世代合同の原理と名付けた。…

※「ラドクリフ・ブラウン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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