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エバンズ Evans, Sir Arthur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エバンズ
Evans, Sir Arthur

[生]1851.7.8. ナッシュミルズ
[没]1941.7.11. オックスフォード近郊ユルベリー
イギリスの考古学者。フルネーム Sir Arthur John Evans。クレタ文明の発見者。オックスフォード大学卒業。1884年アシュモール博物館館長,1899年クレタ発掘財団を設立し,クノッソス遺跡の発掘を推進した。翌 1900年より宮殿址ならびに未解読の線状文字資料多数を発掘し,クレタ文明の解明に大きな貢献をなした。1911年ナイトの称号を得る。著書には『ミノア文字』Scripta Minoa(1909),『クノッソスのミノスの宮殿』The Palace of Minos(4巻,1921~36)などがある。

エバンズ
Evans, B. Ifor

[生]1899.8.19. ロンドン
[没]?
イギリスの文学史家。ロンドン大学学寮長。『シェークスピア劇の言語』 The Language of Shakespeare's Plays (1952) ,『イギリス文学-価値と伝統』 English Literature: Values and Traditions (62) などの著書がある。

エバンズ
Evans, Bill

[生]1929.8.16. ニュージャージー,プレーンフィールド
[没]1980.9.15. ニューヨーク
アメリカのジャズピアニスト。本名 William John Evans。 1958年 M.デービスのバンドに参加して注目され,59年にベースのスコット・ラファロ,ドラムのポール・モティアンを加えた自己のトリオを結成,デリケートで知的な演奏によって名声を高めた。

エバンズ
Evans, Dame Edith Mary

[生]1888.2.8. ロンドン
[没]1976.10.14. ロンドン
イギリスの女優。 1912年デビュー。コングリーブの『世の習い』 (1924) のミラマント役などで注目された。オールド・ビック劇場で,ポーシャ役をはじめ多くのシェークスピア劇に出演。 17世紀喜劇,O.ワイルド,G.B.ショーなどの作品にすぐれた演技を見せ,46年デイムの称号を受けた。映画出演も多い。

エバンズ
Evans, Gil

[生]1912.5.13. カナダ,トロント
[没]1988.3.20. クエルナバカ
アメリカのジャズ作曲,編曲家,ピアニスト。本名 Ian Ernest Gilmore Green。 1930年に楽界に入り,41~48年はクロード・ソーンヒル楽団に編曲を提供,57年からは M.デービスと組んで次々と話題作を発表。フレンチ・ホルンの使用に特色がある。

エバンズ
Evans, Maurice

[生]1901.6.3. ドーセット
[没]1989.3.12. ブライトン
イギリスの俳優。 1928年『旅路終り』で注目される。 35年アメリカに渡り,のちに帰化。多くのシェークスピア劇に出演。また,映画『ローズマリーの赤ちゃん』 (1968) ,『猿の惑星』 (同) でも好評を得た。

エバンズ
Evans, Oliver

[生]1755.9.13. デラウェア,ニューポート
[没]1819.4.15. ニューヨーク
アメリカの発明家。 16歳で水車大工職人に徒弟奉公。当時盛んになりはじめた繊維工業の梳毛技術の改良に関心をもち,20歳代で高速梳毛機を完成。 1784年,全工程をオートメーション化した水力式製粉工場を設計,フィラデルフィア郊外に建設した。さらに改良を重ね,1801年には市内に蒸気機関を動力とするオートメーション式石灰肥料工場を設立。 06年以降は蒸気機関の改良に着手,17年には 24馬力の高圧蒸気機関の作製に成功した。イギリスの R.トレビシックと並んで高圧機関の草分けとして知られる。ほかに蒸気浚渫船の発明も手がけた。著書に『若き水車大工および製粉業者のための手引』 (1792) ,『若き蒸気機関技師の手引』 (1805) がある。

エバンズ
Evans, Walker

[生]1903.11.3. セントルイス
[没]1975.4.10. コネティカット
アメリカの写真家。 1926年パリに行き,E.アッジェの記録写真に影響を受け写真家を志す。帰国後 30年頃からニューイングランド諸州に残るビクトリア朝期の建築を撮影し,34年ニューヨーク近代美術館で発表して注目された。またウォール街の大恐慌下,農業安定局 Farm Security Administrationが組織したカメラ・キャンペーンで,中心的役割を果した。 40年グッゲンハイム賞を得て,アラバマ州の小作人の記録を撮る。第2次世界大戦後はアメリカ写真界で重きをなした。主要作品集『小作人の家族』 (1936) ,『ウォーカー・エバンズ=FSAのための写真・1935~38』 (73) など。

エバンズ
Evans, Sir Martin J.

[生]1941.1.1. ストラウド
イギリスの科学者。 1966年ケンブリッジ大学クライスト・カレッジで生化学の修士号,1969年ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで解剖学と発生学の博士号を取得後,同カレッジで教鞭をとった。 1978年ケンブリッジ大学に移り,1999年からカーディフ大学の分子遺伝学教授。 1993年ロンドン王立協会のフェロー,2004年ナイトに叙された。細胞の分化を研究中の 1981年,発生学者のマット・H.カウフマンとともに胚性幹細胞 (ES細胞) の培養法を見つけた。 1984年 ES細胞を別の種類の胚に挿入すると2種類の細胞からなるキメラができることを証明,1987年には ES細胞に遺伝子変異を導入して病気のモデルマウス作製に成功。 ES細胞は再生医療への応用を広げた。この業績により,2007年マリオ・R.カペッキ,オリバー・スミシーズとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。ほかに,アルバート・ラスカー医学研究賞 (2001) など受賞多数。 (→遺伝工学 )

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デジタル大辞泉の解説

エバンズ(Arthur John Evans)

[1851~1941]英国の考古学者。クレタ島にあるクノッソスの宮殿遺跡を発掘、クレタ文明の研究に功績をあげた。

エバンズ(Bill Evans)

[1929~1980]米国のジャズピアノ奏者・作曲家。マイルス=デービスのバンドに参加して注目を集め、その後結成したピアノトリオで人気を博した。代表作「ワルツ‐フォー‐デビー」「ポートレート‐イン‐ジャズ」など。

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百科事典マイペディアの解説

エバンズ

英国の考古学者。父は英国先史考古学の創始者の一人であるジョン・エバンズ〔1823-1908〕。クレタ島のクノッソス宮殿を発掘してクレタ文明を発見。1900年以降その研究に一生をささげた。
→関連項目エーゲ文明クノッソス

エバンズ

米国の写真家。ミズーリ州セント・ルイス生れ。1926年パリに留学し,ソルボンヌで文学を学ぶ。1928年に帰国,独学で写真を始める。1935年から2年間にわってFSA(農場担保管理局)プロジェクトに参加し,米国南部の農民の生活を記録するが,同プロジェクトのディレクター,ロイ・E.ストライカーと対立し,解雇される。
→関連項目ウィノグランド

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世界大百科事典 第2版の解説

エバンズ【Arthur John Evans】

1851‐1941
ミノス文明の発見・命名者。イギリス先史考古学の創始者の一人ジョン・エバンズJohn E.(1823‐1908)の子。1900年クレタ島のイラクリオンの南方にあるケファラの丘(クノッソス)で私費をもって発掘を始める。以来ミノス文明最大の宮殿の全体と付近の発掘と研究に生涯をかける。ここで数階建ての複雑な建築,みごとな多くの壁画,工芸品,陶器などを発掘して,古代文明史上に輝くミノス文明の全容を確定した。その発掘は精密細心,調査は徹底的で,広い視野をもつ。

エバンズ【Bill Evans】

1929‐80
アメリカのジャズ・ピアニスト。16歳のとき兄とグループを作り,1954年に軍隊から帰ってプロ音楽家として活動を始めた。58年に短期間だがマイルス・デービスの六重奏団に加わって頭角を現し,その後は独奏者として数多くのレコードを作って,繊細な音色による抒情的な演奏で人気をつかんだ。ギターのホールJim Hallと59年に録音したアルバム《アンダーカレント》など名作として日本でも評価が高い。70年代には電気ピアノを使った新しい試みも行ったがこれには賛否両論があった。

エバンズ【Edith Evans】

1888‐1976
イギリスの女優。1920年代から60年代にかけて,シェークスピア劇などに出演し,イギリスの代表的女優の一人とみなされた。もっとも得意としたのは喜劇,とりわけ知的で洗練された風習喜劇で,コングリーブの《世の習い》のミラマント,ワイルドの《まじめが大事》のブラックネル卿夫人などが当り役である。《ロミオとジュリエット》の乳母でも有名。速度と抑揚が多様に変化し,絶妙のタイミングを見せる独自のせりふ術を十分に発揮,古典喜劇の女優として最高の評価を得た。

エバンズ【Oliver Evans】

1755‐1819
アメリカの発明家,機械技術者。デラウェア州ニューポート近郊の農家に生まれたが,14歳から車大工の徒弟になり,木工機具の製作に携わった。梳刷(くしばけ)の歯の手仕上作業に従事していた23歳のころ,1分間に3000歯を,今までよりも正確かつ完全につくる機械を考案した。25歳からは製粉業をしていた兄とともに働くことになったが,ここでも穀物を運ぶコンベヤエレベーター,粉かきなどを組み合わせた製粉機械をつくった。

エバンズ【Walker Evans】

1903‐75
アメリカの写真家。1930年代のアメリカで,ニューディール政策の一環として設置されたFSA(農場担保管理局)の仕事ですぐれたドキュメンタリーを数多く撮った。38年からニューヨークの地下鉄の乗客をスナップする(1966年《Many are Called》として出版)など自分の写真を撮るようになる。人間や建築物などをさめた目でとらえた彼の写真は,その後の写真家に強い影響を与え,現代写真の源流となっている。

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大辞林 第三版の解説

エバンズ【Evans】

〔Arthur John E.〕 (1851~1941) イギリスの考古学者。1900年からクレタ島のクノッソス宮殿跡を調査、クレタ文明の実在を初めて明らかにした。
〔Oliver E.〕 (1755~1819) アメリカの発明家。1803年から蒸気機関の製作を始め、蒸気浚渫しゆんせつ機・蒸気自動車など先駆的な発明を行なった。
〔Walker E.〕 (1903~1975) アメリカの写真家。農業安定局( FSA )のスタッフとして、アメリカ南部の農業地帯を記録。のちに、もっと私的な視点を強調する作風に転向した。

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世界大百科事典内のエバンズの言及

【エーゲ文明】より

…上述した地域にはギリシア文明が続いて興るので〈前ギリシア(プレヘレニック)文明〉と呼ぶこともできるが,この文明はギリシア文明の前段階でも先駆でもなく,独自の性格をもつ。 19世紀末から始まるシュリーマンやA.J.エバンズなど多くの学者の調査と研究により,エーゲ文明の中には,トロイア,キクラデス,ヘラドス,ミノス(ミノア),ミュケナイの諸文明が区別される。なおテッサリアの発達した新石器文化も付随的にふれられる。…

【青銅器時代】より

…モンテリウスは,北ヨーロッパから始めて,南ヨーロッパ,エジプト,オリエントの出土品まで,その整理方針を適用した。とりわけイギリス人A.J.エバンズによってクレタ島のクノッソス宮殿が発掘された結果,青銅器の変遷が層位的事実とあいまって,みごとに説明できることとなった。このエーゲ文明の分類が基準となって,研究の遅れていた西ヨーロッパ,中部ヨーロッパ,東ヨーロッパの青銅器時代が明らかとなった。…

【線文字B】より

…エバンズにより名づけられたミノア文字(絵文字,線文字A・Bに大別)のうち,最も新しい書体で,前16~前12世紀にかけて使用された。ミュケナイ文字ともいわれ,おもに粘土板や壺に書かれたものが現存している。…

※「エバンズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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