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ポーランド出身の女流ハープシコード奏者。ハープシコードの復興に決定的な役割を演じた先覚者。ワルシャワ音楽院でピアノを,次いでベルリンに留学して作曲を学ぶ。1900年パリに移り,ハープシコードに心を引かれて研究し,03年パリでこの楽器による公開演奏会を開いた。以後ハープシコードの普及に力を注ぐ。13-19年ベルリン高等音楽学校のハープシコードの初代教授。25年パリ郊外にハープシコード教育のための音楽学校を創立。41年アメリカに移住。プレイエル社に性能のよい響きの豊かなハープシコードを作らせ,それを使用して,華麗でたくましい演奏を繰り広げた。それは,かつて存在していたハープシコードとその音楽とは異なるとはいえ,彼女の努力がハープシコードをよみがえらせたのであり,功績は非常に大きい。
執筆者:岩井 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ポーランド出身のハープシコード(チェンバロ)奏者。生地のワルシャワ音楽院で学ぶ。1900~13年パリに住み、教育活動と古い音楽の演奏に力を注ぐ。13~19年ベルリンでハープシコードを教え、その後はふたたびパリで古い音楽の演奏、解釈を指導した。41年にアメリカに移住し、コネティカット州レークビルで没した。彼女は、当時ほとんど忘れられていたハープシコードの復興に尽力、ホールでの公開演奏が可能な豊かな音量の楽器の製作を推進するとともに、バッハやその周辺の音楽を、ピアノではなくハープシコードで演奏する意味を、演奏、教育、執筆活動を通じて説き続けた。またファリャ、プーランクらが、ハープシコード協奏曲を彼女のために作曲している。
[美山良夫]
『D・レストウ編、鍋島元子・大島かおり訳『ランドフスカ音楽論集』(1981・みすず書房)』
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