リップマン(読み)りっぷまん(英語表記)Walter Lippmann

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リップマン(Walter Lippmann)
りっぷまん
Walter Lippmann
(1889―1974)

アメリカの評論家、コラムニスト。9月23日ニューヨークに生まれる。ハーバード大学卒業。1913年にT・ルーズベルトの率いる進歩党の「教科書」といわれる『政治序論』A Preface to Politicsを刊行。続いて1914年リベラルな政治雑誌『ニュー・リパブリック』の創刊に携わる。1921年『ニューヨーク・ワールド』紙に入り、洞察に優れた明晰(めいせき)な論説により、その名をあげた。1931年から1967年まで『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』紙の特別寄稿家として「今日と明日」Today and Tomorrowと題するコラムを担当する。この評論により、1958年ピュリッツァー賞の特別表彰、1962年に同賞を国際報道部門で受賞した。1963年から『ワシントン・ポスト』紙や『ニューズウィーク』誌の特別寄稿家として活躍。思想的には当初の自由主義の立場から、しだいに保守主義へと傾いていった。1947年に『冷たい戦争』The Cold Warを発表、以後このことばは東西関係を表す国際政治の流行語となった。政治、外交、社会問題に関する幅広い著作のなかでも、1922年に刊行された『世論』Public Opinionは、世論と大衆の非合理性を民主主義とのかかわり合いで論じた、マスコミ研究の古典的名著といわれている。ほかに『幻の公衆』『良き社会』『公共の哲学』『国際政治とアメリカ』『共産主義世界とわれらの世界』などの著作がある。1974年12月14日死去。[鈴木ケイ]
『掛川トミ子訳『世論』上下(岩波文庫) ▽J・ラスキン著、鈴木忠雄訳『ウォルターリップマン――正義と報道の自由のために』(1980・人間の科学社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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