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リョコウバト Ectopistes migratorius; passenger pigeon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リョコウバト
Ectopistes migratorius; passenger pigeon

ハト目ハト科絶滅種。全長 39~41cm。渡りをするハトで,渡りのときには大きな群れになり,通過時には何時間も空を覆うほどだった。羽色は眼の下から頭上,腰が青灰色で,喉から胸,腹部は淡い紫褐色。下尾筒は白い。背,,中央の尾羽は紫灰色,ほかの尾羽は白い。風切羽は黒く,雨覆羽には少数の黒斑がある。尾は長くて先がとがり,下尾筒は白い。は黒く,脚は赤紫色。落葉広葉樹林にすみ,集団繁殖をし,堅果漿果(→液果),果実,ミミズや昆虫などを食べていた。19世紀の中頃まではカナダ南部からメキシコ湾岸まで北アメリカロッキー山脈の東側に多数生息していた。しかし,ヨーロッパ人の入植後,羽毛と食料を得るために徹底的に狩猟され,減少に歯止めがきかなくなった。野生種の最後の標本は 1900年に採集されたものである。1914年にシンシナティ動物園で飼育されていた最後の 1羽が死亡し,本種は絶滅した。

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百科事典マイペディアの解説

リョコウバト

ハト科の鳥。絶滅鳥として有名。尾が長く,体長42cmくらい。背面は灰青色で,のど赤褐色。かつて北米に多数繁殖していたが,肉が美味で,密集して営巣し集団で渡りをするなど大量捕獲が容易なため,急速に減少。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リョコウバト
りょこうばと / 旅行鳩
passenger pigeon
[学]Ectopistes migratorius

鳥綱ハト目ハト科の鳥。絶滅種。ワタリバトともいう。カナダ南部からアメリカ南部諸州までの広葉樹林に大群をつくってすみ、不規則な移動をしていた。19世紀初めにオハイオ川上流で集団繁殖していたある群れが約22億羽と推定されたほど群集性が強く、群れが木に止まると、その重みで太い枝が次々に折れたという。しかし、急速な森林の伐採によりすみかを失い、また食用として乱獲されたため急激に減り、1867年に初めてニューヨーク州で狩猟禁止が決まり、その後各州もしだいにそれに倣ったが効果なく、最後に残った五大湖地方の群れも1885年以降急に小さくなり、1894年を最後に営巣しなくなった。多数で集まっていないと食欲も繁殖欲も弱くなる性質も災いしたらしい。飼育下での繁殖もあまり成功せず、初代大統領ワシントンの夫人の名をとった最後の1羽「マーサ」も、1914年9月1日に死んだ。尾が長く全長約43センチメートル。上面は紫色の金属光沢がある青灰色、下面は赤褐色。広葉樹の堅果のほか各種の木の実を食べていた。集団で樹上に巣をつくり、雌雄で抱卵育雛(いくすう)した。飼育下での産卵は1個であったが、野生の巣では雛(ひな)2羽が普通であったという。[竹下信雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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