リンパ管(読み)リンパかん(英語表記)lymphatic vessel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リンパ管
リンパかん
lymphatic vessel

リンパの導管をいう。起始部の毛細リンパ管毛細血管と似ているが,これよりも太く,各所に膨大部があって,互いに結合して毛細リンパ管網をつくっている。ここから出るリンパ管はリンパ管弁をもち,多くは互いに連絡してリンパ叢をつくり,次第に合流して本幹となって静脈と同じ方向に流れる。構造はだいたい静脈に似ているが,小リンパ管では中膜を欠き,大リンパ管でも静脈の場合より薄く,外膜の縦走筋も少い。弁は内膜のひだから成る半月弁で,リンパの逆流を防ぐ働きをする。通常2個ずつ管壁に対立し,外面からはふくれて見える。このため,リンパ管炎などでリンパが管内に滞ると,じゅず状のふくれができ体外から触れることができる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

リンパ‐かん〔‐クワン〕【リンパ管】

リンパが流れる管。毛細リンパ管が集合してから、しだいに合流して太くなり、胸管と右リンパ本幹の2本となって静脈に注ぐ。構造は静脈に似る。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

リンパ管【リンパかん】

リンパ液を運ぶ管。身体各部の末梢で毛細リンパ管として始まり,次第に合流して太くなり,ついにリンパ本幹となり,最後は静脈に注ぐ。この間,哺乳(ほにゅう)類や鳥類ではいくつかのリンパ節を経由する。血管の静脈に似るがこれより細く,壁も薄く屈曲凹凸が豊富である。内腔には多数の弁がある。→リンパ系
→関連項目胸管睾丸腫瘍

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

リンパかん【リンパ管 lymphatic vessel】

リンパ系の構成要素で,血管系における血管にたとえることができる。その管の中をリンパ球とともに透明な体液,リンパ液が流れている。大部分の哺乳類では,組織内で血管から滲出した組織間隙の体液は,1層の内皮細胞から成る薄い管壁の毛細リンパ管に入る。この毛細リンパ管は網目状をなしている。それらが集まり,しだいに太くなった各器官の輸出リンパ管は,順次集合してリンパ本幹(主幹)となり,静脈に合流する。この間,多くの鳥類と哺乳類とでは,通常いくつかのリンパ節を経由する。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

リンパかん【リンパ管】

リンパが流れる脈管。構造は大体において静脈に似ており、静脈と同一方向に流れる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内のリンパ管の言及

【循環系】より

…この場合,組織液は心臓の収縮と拡張によって,一定の経路を,最初はあたかも潮の満ちひきのごとく行き来していたものが,やがて体制の進化につれ,はじめて一方交通の循環という形をとることになる。 これに対し脊椎動物では,この通液路は,組織間隙を縦横に走る専用の管状器官,すなわち血管とリンパ管をふくむ独立した脈管系によって構成される。したがって,ここでの物質運搬は,もっぱら,この脈管系を流れる血液とリンパの両者によって営まれ,組織液が直接これに関与することはない。…

※「リンパ管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

寒暖差アレルギー

寒暖の差により鼻の奥の毛細血管が詰まり、鼻の粘膜が腫れることで起きる鼻炎。医学的には血管運動性鼻炎の一種とされる。多くの場合秋から冬にかけて1日の寒暖差が大きい時期や冷房による急な温度変化などにより起...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

リンパ管の関連情報