ルドベキア(英語表記)cone flower
Rudbeckia

精選版 日本国語大辞典 「ルドベキア」の意味・読み・例文・類語

ルドベキア

〘名〙 (rudbeckia) キク科ルドベキア属の植物総称北アメリカに三〇種ほど自生し、園芸用に数種が栽培

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改訂新版 世界大百科事典 「ルドベキア」の意味・わかりやすい解説

ルドベキア
cone flower
Rudbeckia

オオハンゴンソウRudbeckiaは北アメリカ原産のキク科の耐寒性多年草または一~二年草で,約10種が知られ,近年は種間交配などによって育成された園芸品種も多い。多年生種の代表は野生化することもあるオオハンゴンソウR.laciniata L.(英名golden glow)やそれの園芸品種である八重咲きのハナガサギク(別名ヤエザキオオハンゴンソウ)cv.Hortensisが多く見られる。一年生種には,茎葉に粗毛のあるアラゲハンゴンソウR.hirta L.(=R.serotina Nutt.)(英名black-eyed Susan,yellow daisy)と,これから改良された四倍体大輪グロリオサ・デージーcv.Gloriosa Daisyが多く栽培され,後者には直径15cmにもなる大きな頭花が黄色,黄色に栗色の蛇(じや)の目入り,栗赤色などになるもののほか,八重咲品種もある。オオハンゴンソウ属と,それに近縁な植物は頭花の花盤がもりあがり円錐状になり,トウモロコシの穂を思わせるので,英名をcone flowerともいう。

 多年生種は春に株分け苗を植えるが,きわめて丈夫で野生化するほどである。一年生種は,秋まきにすれば翌年初夏から,春まきでも秋に開花する。花壇切花に適している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルドベキア」の意味・わかりやすい解説

ルドベキア
るどべきあ
[学] Rudbeckia

キク科(APG分類:キク科)ルドベキア属の総称。北アメリカ原産の一年草越年草または多年草で、約25種知られる。ヒルタ(アラゲハンゴンソウ)R. hirta L.は一年草または越年草で、高さ50~90センチメートル。葉は下部のものは大形で披針(ひしん)形、長さ10センチメートル以上、上部のものは小形で長楕円(ちょうだえん)形または披針形。頭状花は単生で頂生し、中心花は黒色または暗褐色、辺花は基部は暗褐色で中央部から先は黄金色。品種にグロリオサ・デージーgloriosa daisyと八重のダブル・グロリオサ・デージーdouble gloriosa daisyがある。ビカラーR. bicolor Nutt.は一年草で、茎はほとんど分枝せず、高さ50~60センチメートル。花は7~8センチメートルの大輪で、中心花は黒色、辺花は基部は褐紫色でほかは黄色のものが多い。前種とともに花壇、切り花用にする。

 非常に強健で、多年草では野生化しているものもある。繁殖は、一、二年草のものは実生(みしょう)で4月下旬~5月上旬に播種(はしゅ)し、多年草は一般に株分けによる。

[岡田正順 2022年5月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルドベキア」の意味・わかりやすい解説

ルドベキア
Rudbeckia; coneflower

キク科ルドベキア属の総称で,一年草または多年草。北アメリカに約 30種が自生する。オオハンゴンソウなどは,日本の山野や空地に帰化している。全縁または深裂する葉が互生し,茎頂に頭状花をつける。花弁状の舌状花は鮮黄色で,しばしば基部が赤褐色になる。アラゲハンゴンソウ R.hirtaは全草に粗毛があり,`グロリオサ・デージー'などの品種で知られる。一般にじょうぶで育てやすく,花壇や切り花に用いられる。暖地では秋に,寒冷地では春に種子をまき,日当りと水はけのよい環境で育てる。

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百科事典マイペディア 「ルドベキア」の意味・わかりやすい解説

ルドベキア

北米原産のキク科の一属の総称で,約10種がある。一〜多年草。頭花は枝先につき,周辺花は舌状で,中心花は半球形に盛り上がる。オオハンゴンソウは多年草で,高さ60〜120cm。下部の葉は羽裂し,上部の葉は単葉となる。7〜9月,径10cm内外の頭花を開く。周辺花,中心花とも黄色。八重咲品もあり,ハナガサギクと呼ばれている。広く花壇に植えられ,野生化もしている。全体に粗毛のあるアラゲハンゴンソウは二年草ときに一年草で,葉は長楕円形,周辺花はだいだい〜黄色で,中心花は黒〜暗褐色となる。花壇植とする。ともに繁殖は実生(みしょう),株分けによる。

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