ルルフォ

デジタル大辞泉 「ルルフォ」の意味・読み・例文・類語

ルルフォ(Juan Rulfo)

[1918~1986]メキシコ小説家ラテンアメリカの重要な作家一人で、長編ペドロ=パラモ」、短編集「燃える平原」などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルルフォ」の意味・わかりやすい解説

ルルフォ
るるふぉ
Juan Rulfo
(1918―1986)

メキシコの小説家。少年時代に両親を失い、孤児院初等教育を終える。やがて首都グアダラハラで働きながら文筆活動に従事。むだのない簡潔な文章でメキシコの農民や反乱軍たちを描いた短編集『燃える平原』(1953)、現代ラテンアメリカ文学の記念碑的小説『ペドロ・パラモ』(1955)の2作を発表後は映画製作に専念するが、四半世紀ぶりに映画用テキスト『黄金の鶏』(1980)を出版

[安藤哲行]

『杉山晃訳『燃える平原』(1990・水声社)』『杉山晃・増田義郎訳『ペドロ・パラモ』(1979・岩波書店・岩波文庫)』

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百科事典マイペディア 「ルルフォ」の意味・わかりやすい解説

ルルフォ

メキシコの作家。メキシコ中西部のハリスコ州に生まれ,幼年期内乱で苛酷な体験をする。十代でメキシコ市に出て,移民局で仕事をするかたわら短編を書き始めた。1962年から晩年までは国立インディオ研究所の職についた。生涯で残した作品は,短編集《燃える平原》(1953年)と長編《ペドロ・パラモ》(1955年)の2つだけであるが,後者は現在と過去,死者と生者が自由に交錯するポリフォニックな手法と喚起的な文体で,1960年代以降のラテン・アメリカ文学に大きな影響を与えた。他に映画シナリオ《金鶏》(1980年)がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルルフォ」の意味・わかりやすい解説

ルルフォ
Rulfo, Juan

[生]1918.5.16. ハリスコ,サユラ
[没]1986.1.7. メキシコシティー
メキシコの小説家。革命で没落した一家に生れ,早くからグアダラハラ市の雑誌『プラン』で活躍。短編集『燃える平原』 El llano en llamas (1953) は農民の生活をフォークナー流の筆致で描いた傑作。中編『ペドロ・パラモ』 Pedro Páramo (55) は,メキシコ的な宿命観に彩られた前衛的な物語で,現代ラテンアメリカ文学を代表する作品の一つ。

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