レイノルズ数(読み)レイノルズスウ

デジタル大辞泉 「レイノルズ数」の意味・読み・例文・類語

レイノルズ‐すう【レイノルズ数】

流体力学において、粘性をもつ流体ふるまいを特徴づける値。典型的な流速U、流体中の物体の大きさL、粘性率η、密度ρを用いると、無次元量の数R=ρUL/ηが導かれる。このRをレイノルズ数といい、Rを同じくする流体は物体周囲で同じような(相似関係にある)流れとなる。これをレイノルズの相似則、または流れの相似則といい、飛行機や自動車の小さな模型を用いた風洞実験などに利用される。英国物理学者・工学者レイノルズにより定義された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「レイノルズ数」の解説

レイノルズ数
レイノルズスウ
Reynolds number

記号ReNRe.ある境界面をもって流れる流体,あるいは流体中を運動する物体にはたらく慣性力と摩擦力との比を示す無次元数.境界面あるいは物体の幾何学的な代表寸法をl m,流体の線速度(または相対速度)をu m s-1,流体の密度をρ kg m-3粘性係数をμ kg m-1 s-1 とするとき,

Reluρ/μ
となる.たとえば,円管内の流れの場合には,代表寸法としては管の内径をとる.レイノルズ数が小さいときは慣性力に対して粘性力が支配的になり,たとえ流れのはじめの部分に渦や乱れがあっても,これが粘性によって徐々に減衰し,流れは整然とした層状流れ(層流)となるが,これがある臨界値(臨界レイノルズ数)を超えるときは乱れた流れ(乱流)となり,流れを支配する法則が一変する.レイノルズ数は流体の流れを伴う種々の現象,たとえば層流か乱流かの決定,流体境界層内の速度分布,境膜の厚さ,拡散速度,流動抵抗などを支配するもっとも重要な無次元数の一つで,1883年,O. Reynoldsによってその概念が導かれて以来,流体を取り扱う諸学の発展への寄与は大変大きい.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「レイノルズ数」の解説

レイノルズ数【Reynolds number】

流体の密度と速度と長さの積を流体の粘性係数で割って得られる無次元の数.記号は Re もしくは N(Re) が用いられる.流体力学においてきわめて重要な数である.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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