レシチン

デジタル大辞泉 「レシチン」の意味・読み・例文・類語

レシチン(lecithin)

代表的な燐脂質りんししつの一。界面活性をもつ。生体膜などの構成成分として動植物に広く分布し、特に脳・神経卵黄大豆酵母などに多い。

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精選版 日本国語大辞典 「レシチン」の意味・読み・例文・類語

レシチン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Lecithin ) 燐脂質(りんししつ)一つ。生体膜などの構成成分として動植物に広く分布し、特に、動物の脳・神経・卵黄や、植物の種子などに多量に含まれている。

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食の医学館 「レシチン」の解説

レシチン

コレステロールをはじめとする脂質代謝(たいしゃ)や、細胞膜(さいぼうまく)の生成に欠かせない物質で、脂質の一種です。
 マヨネーズ材料にも使われているように、レシチンには水分と油を結びつける、強い乳化作用があります。この作用によって、余分なコレステロールを引きつけ、血管の中を掃除して、動脈硬化(どうみゃくこうか)の予防・改善に効果を発揮します。
 また、血栓(けっせん)を溶かして血液の流れをスムーズにする作用をはじめ、肝臓への過剰な脂肪沈着を防いで、脂肪肝(しぼうかん)肝硬変(かんこうへん)を予防する、脂質の代謝を促進して肥満を防止する、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性物質の吸収を助けるといった働きもあり、生活習慣病の予防に有効です。
 さらに、神経伝達物質アセチルコリンを生成することから、老化による記憶力の減退や認知症、アルツハイマー病の予防、学習能力の向上などにも、効果があるのではないかと期待されています。
 また、老化を防止し、肌をみずみずしく保つ働きもあります。
 レシチンは、ダイズやとうふなどのダイズ加工食品、卵黄(らんおう)、ピーナッツ、酵母などに多く含まれています。また、レシチンの材料となるコリンを豊富に含んだ、緑黄色野菜やレバー類を食べるのも、間接的ではありますがレシチン摂取の有効手段です。
 ちなみに、単純に含有量からみた場合、レシチンをもっとも多く含む食品は卵黄です。
 しかし、卵黄はコレステロールを非常に多く含むのが難点。コレステロールが気になる人は、ダイズやダイズ加工食品からの摂取を考えたほうがいいでしょう。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「レシチン」の解説

レシチン【lecithin】

リン脂質の一種。細胞膜などの生体膜・脳神経・神経組織の構成成分。うなぎ、レバー、豆製品、野菜類、卵黄、酵母、カビ類、ゴマ油などに多く含まれる。脳内の神経伝達物質の合成に重要な役割をもち、脳の機能を活性化して記憶力や集中力を高め、老人性痴呆症を予防する働きをもつほか、血管壁に付着したコレステロールを溶かして動脈硬化の抑制、血管の正常化維持、肝臓・腎臓の解毒作用、脂質の代謝を促進する物質を生成して肥満の予防・改善などに効果があるとされる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

百科事典マイペディア 「レシチン」の意味・わかりやすい解説

レシチン

リン脂質

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化学辞典 第2版 「レシチン」の解説

レシチン
レシチン
lecithin

[同義異語]ホスファチジルコリン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「レシチン」の解説

レシチン

 →ホスファチジルコリン

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世界大百科事典(旧版)内のレシチンの言及

【肺】より

…II型細胞の最も重要な役割は,肺胞表面活性物質の産生と分泌である。この物質の主体は,レシチンlecithin(ホスファチジルコリンphosphatidylcholine)である。肺胞表面活性物質は肺胞上皮細胞の表面に分泌され,肺胞の表面張力を弱めるのに役立つ。…

※「レシチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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