ローレンス(Sir Thomas Lawrence)(読み)ろーれんす(英語表記)Sir Thomas Lawrence

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ローレンス(Sir Thomas Lawrence)
ろーれんす
Sir Thomas Lawrence
(1769―1830)

イギリスの画家宿屋の息子としてブリストルに生まれ、幼時から肖像画家としての天分を発揮した。1786年ロンドンに出て、一時はロイヤル・アカデミーに学んだが、またたくまに肖像画家として頭角を現す。92年にはレノルズの後を継いで宮廷画家となり、94年にはロイヤル・アカデミー会員に選出された。1818年、時の摂政(せっしょう)(後のジョージ4世)の命により、対ナポレオン戦争で功労のあった列国君主軍人の肖像を描き、ヨーロッパ中に令名をとどろかせた。20年帰国後まもなく、ベンジャミン・ウェストの後を襲ってロイヤル・アカデミー会長に就任。みずみずしく軽快な筆触で描かれた彼の肖像画は、その後の若い世代の画家たちに強い影響を及ぼしている。

[谷田博行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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