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息子と恋人 むすことこいびとSons and Lovers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

息子と恋人
むすことこいびと
Sons and Lovers

イギリスの作家 D.H.ロレンスの初期の小説。 1913年刊。特に自伝的要素の強い作品。兄の死後の愛は主人公ポールに集中され,ポールの母に対する愛情も異常に深まり,彼は恋人ミリアムの愛と母の愛の板ばさみになって苦しむ。人妻クレアラ・ドーズとの肉体関係によってその苦しみを忘れようとするが,それも救いをもたらさない。最後に母は癌で死に,ポールは絶望にうちひしがれるが,やがて気を取直して新しい人生へと歩み出していく。

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デジタル大辞泉の解説

むすことこいびと【息子と恋人】

《原題Sons and Loversローレンスによる自伝的長編小説。1913年刊。中部イングランドの炭鉱村を舞台に、若者の性と苦悩を描く。著者の初期の代表作。

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デジタル大辞泉プラスの解説

息子と恋人

1960年製作のアメリカ映画。D・H・ロレンスの同名小説の映画化。原題《Sons and Lovers》。監督:ジャック・カーディフ、出演:トレバー・ハワード、ディーン・ストックウェル、ウェンディ・ヒラーほか。第33回米国アカデミー賞作品賞ノミネート。同撮影賞(白黒)受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

むすことこいびと【息子と恋人 Sons and Lovers】

イギリスの小説家D.H.ロレンスの初期の代表作。1913年刊。モレル夫妻の葛藤,主人公である息子ポールの成長,彼を溺愛する母モレル夫人と恋人ミリアムとの間でのポールの悪戦苦闘を描き,きわめて自伝的色彩が濃い。ロレンス独特の自己没入的な,読者に作中人物の経験の激しさそのものを伝えようとする姿勢がすでにあらわであり,語り手の判断の裏側から当時の男女の実体がくっきり浮かび上がる稀有(けう)な風俗小説である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

息子と恋人
むすことこいびと
Sons and Lovers

イギリスの作家D・H・ローレンスの長編第三作で、初期の代表作。1913年刊。中部イングランドの炭坑村ベストウッドを背景に、そこに生まれた青年ポール・モレルの青春と性の苦悩を描く。坑夫ウォルター・モレルと町からきた娘ガートルード・コッパードの衝動的結婚はその翌日から幻滅に落ちる。母となったガートルードは満たされぬ思いを長男ウィリアムに託すが、彼が病死すると、今度は次男のポールに愛情を注ぐ。兄にかわって母の「恋人」となったポールは、恋人ミリアム・リーバーズと母の板挟みになって苦しむ。同時に、ミリアムに求めて得られない性の欲求を人妻のクララ・ドーズに求める。いっさいは母の死によって終わり、ポールは恋人たちとも決別して、故郷の村をあとにする。[羽矢謙一]
『伊藤整訳『世界文学全集38 息子と恋人』(1960・河出書房新社)』

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世界大百科事典内の息子と恋人の言及

【ロレンス】より

…奨学金により高校を卒業したのち小学校の代用教員を務め,1906年ノッティンガム大学の教員養成科に入学,卒業後はロンドンで小学校教員をしながら文筆に従事,1911年処女作《白孔雀》を出版。この前年母の死によって虚脱状態に陥ったが,12年大学時代の恩師の妻フリーダと激しい恋におち,彼女の故郷ドイツに駆落ちし,次いでイタリアに赴き,ここできわめて自伝的な,自己耽溺的で正直なエゴイスト,ポール・モレルの成長と恋,恋人と母との三角関係を語った《息子と恋人》(1913)を完成。その後も,当時としては露骨な性描写の目だった三代記《虹》(1915),2組の現代的な男女の葛藤を描いた《恋する女たち》(1920),南アメリカを舞台に一種の男性主義を説いた《翼ある蛇》(1926),《チャタレー夫人の恋人》(1928)などで男女の関係を追求し続けた。…

※「息子と恋人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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