イギリスの作家D・H・ローレンスの長編第三作で、初期の代表作。1913年刊。中部イングランドの炭坑村ベストウッドを背景に、そこに生まれた青年ポール・モレルの青春と性の苦悩を描く。坑夫ウォルター・モレルと町からきた娘ガートルード・コッパードの衝動的結婚はその翌日から幻滅に落ちる。母となったガートルードは満たされぬ思いを長男ウィリアムに託すが、彼が病死すると、今度は次男のポールに愛情を注ぐ。兄にかわって母の「恋人」となったポールは、恋人ミリアム・リーバーズと母の板挟みになって苦しむ。同時に、ミリアムに求めて得られない性の欲求を人妻のクララ・ドーズに求める。いっさいは母の死によって終わり、ポールは恋人たちとも決別して、故郷の村をあとにする。
[羽矢謙一]
『伊藤整訳『世界文学全集38 息子と恋人』(1960・河出書房新社)』
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…奨学金により高校を卒業したのち小学校の代用教員を務め,1906年ノッティンガム大学の教員養成科に入学,卒業後はロンドンで小学校教員をしながら文筆に従事,1911年処女作《白孔雀》を出版。この前年母の死によって虚脱状態に陥ったが,12年大学時代の恩師の妻フリーダと激しい恋におち,彼女の故郷ドイツに駆落ちし,次いでイタリアに赴き,ここできわめて自伝的な,自己耽溺的で正直なエゴイスト,ポール・モレルの成長と恋,恋人と母との三角関係を語った《息子と恋人》(1913)を完成。その後も,当時としては露骨な性描写の目だった三代記《虹》(1915),2組の現代的な男女の葛藤を描いた《恋する女たち》(1920),南アメリカを舞台に一種の男性主義を説いた《翼ある蛇》(1926),《チャタレー夫人の恋人》(1928)などで男女の関係を追求し続けた。…
※「息子と恋人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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