デジタル大辞泉 「ろ」の意味・読み・例文・類語
ろ[間助]
1 (文中用法)連用修飾語に付く。
「児ろが上に
2 (文末用法)活用語の終止形・命令形に付く。
「白雲の絶えにし
[補説]12とも上代東国方言。2は現代語の「見ろ」「受けろ」「しろ」などの命令形語尾「ろ」となるものといわれる。
(イ)の用法のうち命令形に付くものは、上代において東歌および九州の志賀の海人の妻子の歌(山上憶良作の説が有力)だけに現われるが、「塵袋」「ロドリゲス日本大文典」の記載もこれと矛盾せず、現代語でも関東方言のほか九州に見られる。したがって、中古の例には欠けるが、地方語として使われ続けていたと考えられる。「ろ」を含めて動詞の命令形とすることが多いが、「よ」と同様、元来は助詞である。→接尾語「ろ」・「ろ」の補注
( 1 )用例は、記紀歌謡と、「万葉集」の東歌・防人歌や「常陸風土記」のような上代東国の歌にほとんど集中している。
( 2 )名詞に付くことが主であるところから、この「ろ」を形式名詞として、上接の語を含めた全体を体言相当語とする説もある。
( 3 )係助詞の終助詞的用法である「か」「も」を下に伴って「ろかも」の形をとる例には、間投助詞とする説や「ろかも」で終助詞とする説もあるが、間投助詞は係助詞・終助詞のすぐ下には付いても上には付かないところから考えると無理である。
ラ行四段・ラ行変格活用の語が助動詞「う」を伴うときの語尾も「ろ」になることがある。「取ろ」「有ろ」「よかろ」「じゃろ」など。
五十音図第9行第5段の仮名で、平仮名の「ろ」は「呂」の草体からでき、片仮名の「ロ」は「呂」の初画からできたものかと考えられている。万葉仮名には甲乙2類あって、甲類に「路、漏、盧、樓、露、魯(以上音仮名のみ)」、乙類に「里、呂、侶、慮、廬、稜(以上音仮名のみ)」などが使われた。ほかに草仮名としては、「(呂)」「(路)」「(露)」「(婁)」などがある。
音韻的には/ro/で、舌先が歯茎あるいはその付近に対して1回だけはじく有声音[r]を子音にもつが、場合によって[l]が用いられることもある。和語に関する限り、擬声・擬態語を除いて「ろ」が語頭にたつことはない。上代では甲乙2類に仮名を書き分けるが、これは当時の音韻を反映したものと考えられる。
[上野和昭]
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