ポーランドの政治家。原語に近い表記はワウェンサ。中西部のクヤフスコ・ポモジェ県ポポウ生まれ。職業学校を卒業し、1967年グダニスクのレーニン造船所電気工となる。1970年の食糧品値上げ反対ストの際に同造船所のスト委員会議長となり、グダニスク暴動に参加したが政府の圧力に挫折(ざせつ)。1976年ストに参加して解雇される。1978年バルト海沿岸自由労組に参加し、1980年レーニン造船所のストを指導、早口な語り口、決断の速さと行動力とでカリスマ的な人気を獲得した。同年8月全国ストを指導し、自主労組「連帯」の結成、スト権の承認、言論の自由などグダニスク21項目の政労合意を勝ち取った。同年9月「連帯」の議長に選出された。1981年(昭和56)5月総評の招きで来日。同年12月の戒厳令により拘留され、1982年11月に釈放された。1983年ノーベル平和賞を受賞。1989年限定的な自由選挙で「連帯」が圧勝し、「連帯」内閣を誕生させ、1990年大統領選挙に挑戦して当選、初代大統領に就任した。1995年の大統領選では社会民主党党首クワシニエフスキに敗れた。1998年9月、キリスト教民主党党首に就任。2000年10月の大統領選でも落選。熱心なカトリック信者。
[木戸 蓊]
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