一石二鳥(読み)いっせきにちょう

ことわざを知る辞典「一石二鳥」の解説

一石二鳥

一つの石で二羽の鳥をしとめる。一つの行為によって、同時に二つの成果を挙げることのたとえ。

[使用例] 「姑息な手段はかえって発覚のおそれがある。そこであなたは内臓を害するとか、指をきるというような常套手段を排して、思い切った方法を選んだ。しかもそれは一石にして二鳥をおとす名案でもあったのです」[江戸川乱歩*何者|1932]

[使用例] 出版社に就職した。先輩の口利きで、これもやはり学生アルバイトということになり、給料からの源泉課税差引きを免除された。〈略〉学校の講義に出席するのは、週に一回だけ、午前中ときめた。もっとも、学校の教授中には、社から原稿執筆を依頼してある向きもあるので、聴講と原稿催促とを兼ねた一石二鳥のやり方だ[豊島与志雄*失われた半身|1949]

[解説] 英語のTo kill two birds with one stone.に由来する表現です。英語では慣用句ですが、日本語ではことわざとみなされ、日英語のことわざ感覚の違いが典型的に現れる例といえます。幕末から英和辞典に収載され、明治期には「一挙両得」または「一石を以て二鳥を殺す」と訳されていました。後者が大正期に短縮され、四字熟語の形になりましたが、「泥棒を見て縄をう」を「泥縄」というのと同じで、全文口にするのがまどろっこしくなって、略したものでしょう。最初は学生が仲間うちで用い、のちに一般に広まったものと思われます。今日では、「一挙両得」よりも多用され、「一石三鳥」などと応用することもあります。

[対義] 二兎を追うものは一兎をも得ず

〔中国〕一箭双雕(一本の矢で二羽の鷲を射落とす)

〔朝鮮〕배 먹고 이 닦기(梨を食べて歯をみがく)

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デジタル大辞泉「一石二鳥」の解説

いっせき‐にちょう〔‐ニテウ〕【一石二鳥】

一つの事をして同時に二つの利益・効果をあげること。一挙両得。「一石二鳥の名案」
[補説]西洋のことわざTo kill two birds with one stone.(一つの石で2羽の鳥を殺す、の)から。

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四字熟語を知る辞典「一石二鳥」の解説

一石二鳥

一つのことをして、二つの目的を果たすたとえ。また、二つの利益を得ることのたとえ。

[使用例] あゆの友釣りは体が冷えるからよくないが、池のどてりは一石二鳥の療養法だと言っている[井伏鱒二*黒い雨|1965~66]

[使用例] なるほど。彼女としちゃ、一石二鳥だ。考えられない事じゃないね[安部公房*密会|1977]

[解説] 英語のことわざTo kill two birds with one stone.の訳。一つの石で二羽の鳥をうち落とすという意味。

[類語] 一挙両得

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精選版 日本国語大辞典「一石二鳥」の解説

いっせき‐にちょう ‥ニテウ【一石二鳥】

〘名〙 (「一つの石で二羽の鳥をうち落とす」の意から) 一つの事をして、二つの目的を果たすたとえ。一挙両得。
※劉広福(1944)〈八木義徳〉「彼等の収入増となるばかりでなく会社側にとっても著しく作業の進捗をみることになり、一石二鳥といふことになった」

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