物理定数のうちで、個々の物質やそれが置かれた条件によらず、つねに一定の値をもつもの。基本定数ともよぶ。とりわけ基本的と考えられているのは、真空中の光速c(これで1メートルを定義する)、プランク定数h、万有引力定数G、そしてボルツマン定数kとアボガドロ定数NAである。これに電気素量eと物質の普遍的構成要素である電子、陽子、中性子などの質量を加えることもある。さらに、SI単位系が世界共通に採用されるようになった今日では、電気にかかわる基本定数として真空の誘電率ε0を加えるべきであろう。1/(4πε0)が万有引力の場合のGにあたる。普遍定数の選び方が理論構成によって変わるのは当然で、将来クォークの質量がはっきりすれば、これも基本定数のなかの基本的なものとされるであろう。それでも原子程度の尺度の世界ではhとe、電子の質量m、それにk、NAが基本定数であり続けるに違いない。イギリスの理論物理学者であるディラックは、普遍定数も宇宙の変化に伴って変化するという説を提出しているが、現在までのところ、それを否定する材料のみあって、積極的に支持する事実はない。
[江沢 洋]
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…また積分定数のように,変化はしないが任意の値を与えるものを不定定数という。物理学の万有引力の法則F=Gmm′/r2における万有引力定数Gや,電気素量,光速度定数などのように基本的な物理法則によって定められた定数を普遍定数と呼んでいる。【伊藤 清三】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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