普遍定数(読み)フヘンテイスウ(英語表記)universal constant

デジタル大辞泉 「普遍定数」の意味・読み・例文・類語

ふへん‐ていすう【普遍定数】

物理学基本法則を表す式の中で、変数の値に関係なく常に一定の値をもつ定数光速度電気素量プランク定数万有引力定数など。基礎定数基礎物理定数

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精選版 日本国語大辞典 「普遍定数」の意味・読み・例文・類語

ふへん‐ていすう【普遍定数】

  1. 〘 名詞 〙 基本法則を表わす式中において、対象となる個々物質種類状態に関係なく、常に一定の値をもつ定数。万有引力定数、プランクの定数、真空中の光の速度ボルツマン定数、電気素量など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「普遍定数」の意味・わかりやすい解説

普遍定数
ふへんていすう
universal constant

物理定数のうちで、個々の物質やそれが置かれた条件によらず、つねに一定の値をもつもの。基本定数ともよぶ。とりわけ基本的と考えられているのは、真空中の光速c(これで1メートルを定義する)、プランク定数h、万有引力定数G、そしてボルツマン定数kアボガドロ定数NAである。これに電気素量eと物質の普遍的構成要素である電子、陽子中性子などの質量を加えることもある。さらに、SI単位系が世界共通に採用されるようになった今日では、電気にかかわる基本定数として真空の誘電率ε0を加えるべきであろう。1/(4πε0)が万有引力の場合のGにあたる。普遍定数の選び方が理論構成によって変わるのは当然で、将来クォークの質量がはっきりすれば、これも基本定数のなかの基本的なものとされるであろう。それでも原子程度の尺度の世界ではhe、電子の質量m、それにkNAが基本定数であり続けるに違いない。イギリスの理論物理学者であるディラックは、普遍定数も宇宙の変化に伴って変化するという説を提出しているが、現在までのところ、それを否定する材料のみあって、積極的に支持する事実はない。

[江沢 洋]

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百科事典マイペディア 「普遍定数」の意味・わかりやすい解説

普遍定数【ふへんていすう】

基礎定数とも。物理法則を表す数式において,関与する対象の種類や状態に関係なく常に一定の値を保つ定数。たとえば真空中の光速度万有引力定数電気素量ボルツマン定数プランク定数など。→定数

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「普遍定数」の意味・わかりやすい解説

普遍定数
ふへんていすう
universal constant

基礎物理定数ともいう。物理学の基礎法則に含まれ,物質の種類に関係しない普遍的な物理定数。たとえば重力論の万有引力定数,特殊相対性理論の光速度,量子論のプランク定数,電気素量,統計力学のアボガドロ定数,ボルツマン定数などがある。適当な3個の普遍定数を基本単位とする原子単位系原子物理学で,自然単位系素粒子論でよく用いられる。多数の普遍定数は相互に関連しており,それらの精密な測定値から最小二乗法によって個々の普遍定数の最確値が決定されている。 (→原子定数 )  

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世界大百科事典(旧版)内の普遍定数の言及

【定数】より

…また積分定数のように,変化はしないが任意の値を与えるものを不定定数という。物理学の万有引力の法則FGmm′/r2における万有引力定数Gや,電気素量,光速度定数などのように基本的な物理法則によって定められた定数を普遍定数と呼んでいる。【伊藤 清三】。…

※「普遍定数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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