デジタル大辞泉
「三十六計」の意味・読み・例文・類語
さんじゅうろっ‐けい〔サンジフロク‐〕【三十六計】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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三十六計
困ったときは、どんな計略よりも、逃げることがいちばんまさる。
[使用例] 沈黙の十五秒が恐ろしく永い時間に思われ、九死に一生、三十六計とばかり〈略〉飛ぶように逃げてしまった[織田作之助*雨|1938]
[使用例] 鮨に付き物の酢の匂いを我慢出来ず、握り鮨を始め、殊に酢の匂いの強い散らし鮨などを見ると、三十六計雲を霞と遁走してしまうのである[團伊玖磨*続々パイプのけむり―鮨|1968]
[使用例] 気の利いた連中は、とっくに江戸になんかいませんよ。夜明け前から家財道具を担いで三十六計、すたこらさっさ[司城志朗・川島透*斬ばらりん3 薩摩炎上編|2015]
[解説] 「三十六計」は中国古代の兵法で用いられた三六種の計略のことです。その兵法のどれも、結局逃げることに勝るものはない。そう記すのは、宋代の書物「冷斎夜話」です。
この書物の筆者は、友人らと寺の茶店で飲食をしました。ところが、お金を忘れたことに気づいた知人は、何食わぬ顔で逃げ出してしまいます。後から追いついた筆者らに対し、友人は言います。
「三十六計、走るを上計となす」(=逃げるのが一番いい計略だ)
現在では、「三十六計、逃げるにしかず」などの形で使います。それを省略して「三十六計」とも言います。
本来、「三十六計」という表現には「三六種の計略」の意味しかないはずです。それを「逃げるのが一番」の意味で使うのは、奇妙な感じもします。
これはちょうど、「携帯」で携帯電話を、「高速」で高速道路を、あるいは「仮設」で仮設住宅を表すのと似ています。略語の元の形を知らなければ、意味不明になってしまうわけです。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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