三室戸寺(読み)ミムロトジ

デジタル大辞泉 「三室戸寺」の意味・読み・例文・類語

みむろと‐じ【三室戸寺】

京都府宇治市にある単立(本山修験宗系)の寺。山号は明星山。西国三十三所第10番札所。宝亀年間(770~780)光仁天皇の勅願により行表が開山、御室戸寺と称した。のち、花山三条白河3帝の離宮となり、三室戸寺と改称。三室堂。

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精選版 日本国語大辞典 「三室戸寺」の意味・読み・例文・類語

みむろと‐じ【三室戸寺】

  1. ( 「みむろどじ」とも ) 京都府宇治市にある本山修験宗の寺。山号は明星山。宝亀年間(七七〇‐七八〇)光仁天皇の勅で行表(実連とも)が開創、御室戸寺と称した。本尊は二臂千手千眼観世音菩薩。康和元年(一〇九九隆明中興、現在名に改めた。西国三十三所の第一〇番札所。三室堂。三室戸の観音さま。

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日本歴史地名大系 「三室戸寺」の解説

三室戸寺
みむろどじ

[現在地名]宇治市菟道滋賀谷

明星みようじよう山の北西麓の山中にあり、明星山と号し、本山修験宗。本尊観音菩薩。古くは天台宗寺門派に属し、寺伝によれば創建は宝亀年間(七七〇―七八一)とされるが明らかでなく、一一世紀後期とされる「行尊巡礼記」では一〇世紀の創建とされ、園城おんじよう(三井寺、現滋賀県大津市)の修験僧隆明が康和元年(一〇九九)頃に中興したと伝える。いずれにしても一一―一二世紀以降に隆盛した西国巡礼の信仰に含まれる寺であったことから、やがて西国三十三所観音霊場の一〇番札所として定着した。

中世には近村に寺領が散在していたと伝えるが明らかではなく、また再三の伽藍焼失によって衰微したという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三室戸寺」の意味・わかりやすい解説

三室戸寺
みむろとじ

京都府宇治市菟道滋賀谷(とどうしがだに)にある本山修験(しゅげん)宗の寺。山号は明星山(みょうじょうさん)。本尊は千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)。西国三十三所第10番札所。縁起では、開創は宝亀(ほうき)年間(770~780)と伝え、右少弁犬養(うしょうべんいぬかい)が御室戸(みむろと)山の奥の岩淵(いわぶち)に光っていた金銅千手観音像を持ち帰り、光仁(こうにん)天皇が奈良大安寺の僧行表(ぎょうひょう)に伽藍(がらん)の造営を命じて祀(まつ)り、御室戸寺と号したのを始まりとする。のち桓武(かんむ)天皇がビャクダンでつくらせた観音像の胎内に金銅の尊像を納めて大供養(くよう)を営み、三条(さんじょう)天皇は法華(ほっけ)堂を、白河(しらかわ)天皇は常行堂を寄進するなど、代々の天皇の尊崇を得て盛んになっていった。花山(かざん)、三条、白河三帝の離宮となってのちに三室戸寺と改号、1487年(文明19)現在地に再興。現本堂は1814年(文化11)に建立したものである。木造の阿弥陀如来(あみだにょらい)像と両脇侍坐像(きょうじざぞう)、毘沙門天(びしゃもんてん)立像、釈迦(しゃか)如来立像(いずれも平安後期、国重要文化財)のほか、十八神社本殿(室町時代、国重要文化財)、三重塔江戸時代)など寺宝も多い。

[中山清田]

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改訂新版 世界大百科事典 「三室戸寺」の意味・わかりやすい解説

三室戸寺 (みむろどじ)

京都府宇治市にある本山修験宗の寺。明星山と号し,もと天台宗寺門派。西国三十三所観音霊場の第10番札所。寺伝では,宝亀年間(770-781)付近の志津川岩淵で感得した千手観音を光仁天皇に献上し,天皇が大安寺の行表に命じて伽藍を造営させたのが草創という。11世紀には三井寺末寺となり,1099年(康和1)ごろに三井寺の修験僧隆明が堂舎を修造して中興した。こうして平安後期以降,観音巡礼と修験の寺として衆庶の信仰を集めてきた。戦国期には幾度か兵火にかかって荒廃したが,近世後期に堂舎も復興した。現本堂は1814年(文化11)の建築。ほかに阿弥陀堂,不動堂,三重塔,経蔵などがあり,境内は紅葉をはじめ四季の景勝にめぐまれる。本尊観世音菩薩像は秘仏。阿弥陀三尊像,釈迦如来像,毘沙門天像,十八(じゆうはち)神社社殿は重要文化財で,ほかにも多くの什宝が伝蔵される。
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百科事典マイペディア 「三室戸寺」の意味・わかりやすい解説

三室戸寺【みむろとじ】

京都府宇治市にある本山修験宗の寺。もと天台宗寺門派。西国三十三所第10番札所。宝亀年間(770年―781年)志津川に出現した千手観音像を行表が堂宇に安置したのが起源,805年円珍が再建したという。以後,白河・堀河両天皇の外護を受け繁栄した。15世紀半ば現地に移建。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三室戸寺」の意味・わかりやすい解説

三室戸寺
みむろどじ

京都府宇治市にある天台寺門宗の寺。山号は明星山。西国三十三所第 10番札所。宝亀年間 (770~780) 行表の創建。康和1 (1099) 年隆明が白河,堀河両天皇の庇護を得て再興。室町時代末期に衰えたが,現在は観音霊場として参詣人が多い。寺宝の仏像は,いずれも藤原時代の作。

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デジタル大辞泉プラス 「三室戸寺」の解説

三室戸(みむろと)寺

京都府宇治市にある寺院。本山修験宗別格本山。山号は明星山。本尊は千手観音菩薩。もと天台宗寺門派。古くは御室戸寺と称した。ツツジやアジサイ、紅葉の名所として有名。西国三十三所第10番札所。

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事典・日本の観光資源 「三室戸寺」の解説

三室戸寺(第10番)

(京都府宇治市)
西国三十三箇所指定の観光名所。

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