福岡県東端、築上郡(ちくじょうぐん)にある町。2005年(平成17)、築上郡新吉富村(しんよしとみむら)、大平村(たいへいむら)が合併して町制を施行、上毛町となった。町名は、かつて一帯が豊前(ぶぜん)国上毛郡の郡域であったことによる。東西を山国(やまくに)川と佐井(さい)川に挟まれ、山国川を挟んで東は大分県中津(なかつ)市。国道10号が通じ、東九州自動車道の上毛スマートインターチェンジがある。耶馬日田英彦山(やばひたひこさん)国定公園に含まれる南部の山間部に向かって、三角形に広がるなだらかな田園地帯では、米麦作のほか、野菜を中心とする園芸農業、畜産などが行われる。川底柿は特産。自動車関連企業の進出もみられる。江戸時代には中津藩の領地で、現在でも中津市の経済圏に属する。石室内部に線刻画が描かれる穴ヶ葉山古墳(あながはやまこふん)1号墳は国指定史跡。7~8世紀の友枝瓦窯跡(ともえだかわらがまあと)(国指定史跡)では、町内の垂水(たるみ)廃寺や遠く大分(だいぶ)廃寺(飯塚市)の瓦を焼成したとみられる。山国川河口近くにある道の駅「しんよしとみ遺跡前」は、国指定史跡の大ノ瀬官衙遺跡(だいのせかんがいせき)と隣接する、全国でも珍しい史跡一体型の道の駅である。松尾(まつお)山は求菩提(くぼて)山六峰と英彦山六峰の一峰で、古くから修験の霊山として信仰を集めた。三社神社の神前で稲作の一連の所作を行う「松尾山お田植祭」(県指定無形民俗文化財)は、修験道時代からの継承。面積62.44平方キロメートル、人口7251(2020)。
[編集部]
福岡県東部,築上郡の町。2005年10月新吉富(しんよしとみ)村と大平(たいへい)村が合体して成立した。人口7852(2010)。
上毛町北部の旧村。築上郡所属。人口4106(2000)。西は佐井川を経て豊前市,東は山国川を境に大分県中津市に接する。中津平野中央部にあり,耶馬渓溶岩台地北東麓にかけて複合扇状地が連なる。山国川,友枝川沿いには縄文~弥生時代の住居跡をはじめ多数の遺跡が存在する。瀬戸内式気候で雨が少なくしばしば干害を受けるため,矢方池はじめ多数の溜池がある。農業では米麦作のほか野菜栽培も盛んで,おもに北九州市へ出荷する。苅田町への自動車関連工場の進出により,工業従事者が農業を上回る。
上毛町中南部の旧村。築上郡所属。人口4190(2000)。東は山国川を境に大分県に接する。北部は中津平野中央にあたり,中部から南部にかけては雁股山,大平山など耶馬渓溶岩台地の北部にあたる山地が占める。主産業は農林業で,米,麦のほか木材,果樹,茶,タバコなどを産する。近年はシイタケ栽培も盛ん。唐原(とうばる)付近には穴ヶ葉山古墳(史)をはじめ250余の古墳群があり,北部の土佐井(つちさい)には友枝瓦窯跡(史)が残る。
執筆者:松橋 公治
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