中京圏(読み)ちゅうきょうけん

精選版 日本国語大辞典 「中京圏」の意味・読み・例文・類語

ちゅうきょう‐けん チュウキャウ‥【中京圏】

名古屋市中心とした圏域名古屋市と経済的・社会的・文化的に密接な関連をもつ愛知岐阜の二県、三重県大部分、静岡県西部、長野県南西部、富山県南部、滋賀県東部などを含む。名古屋大都市圏ともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中京圏」の意味・わかりやすい解説

中京圏
ちゅうきょうけん

中京」は名古屋市の別称で、東京と京都(西京)の中間にあるところからいう。したがって、「中京圏」は、名古屋市の経済・文化の影響力の強い圏域をさし「名古屋大都市圏」と同義で、名古屋市を中心に、1日周期の通勤圏、購買圏を指標として画定される範囲である。具体的には名古屋市金山(かなやま)を中心に半径約40キロメートルの圏域で、外周は岡崎市、岐阜市、大垣市、多治見(たじみ)市、四日市(よっかいち)市を結ぶ線で囲まれる内側地域であるが、その形態はかならずしも幾何学的な円形ではなく、主要な鉄道・道路など交通網との関係で不規則なヒトデ状になっている。圏域は、愛知県では東三河地方を除く尾張(おわり)・西三河地方、岐阜県では飛騨(ひだ)地方を除く東西美濃(みの)地方、三重県では中南勢地方を除く北勢地方を含み、人口約1081万(1995)、その規模の大きいことでは京浜・京葉地域、京阪神地域に次ぐわが国第3の大都市圏である。愛知、岐阜、三重3県を「東海三県」とよぶが、その背景は中京圏である。名古屋市を中核として経済・文化・人口交流などきわめて濃密な関係を有する一体性、すなわち「名古屋大都市圏」の形成によるものである。その圏域は名古屋市の都市力の強化と交通網の整備によって拡大傾向にある。

 中京経済圏とは別で、経済圏は「物の動き」「資本の動き」を指標として画定されるが、この場合はより広域となり、その範囲は関東経済圏、関西経済圏、北陸経済圏に挟まれた静岡県西部の西遠地方、伊那谷(いなだに)南部、木曽(きそ)谷、飛騨市以南、西境は関ヶ原、尾鷲(おわせ)を結ぶ線以東を含んでいる。

[伊藤郷平・伊藤達雄]

『伊藤郷平著『中京圏』(1972・大明堂)』

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世界大百科事典(旧版)内の中京圏の言及

【東海地方】より

太平洋ベルト地帯の一翼を担う日本の表回廊的存在で,東海道新幹線,名神・東名両高速道路などの大動脈が通り,近代的産業の発達が著しい。都市化も高度に進んでおり,200万都市の名古屋市を中核とした都市圏である中京圏の影響が強い。地形的には飛驒,木曾,赤石の各山脈南部と両白山地,伊吹山地,鈴鹿山脈に囲まれた地域で,大井川,天竜川,木曾川,長良川,揖斐川,櫛田川など大小の河川が形成した沖積平野と,磐田原,三方原,高師原などの洪積台地からなる。…

【名古屋[市]】より

…愛知県の県庁所在都市で,伊勢湾奥に位置する。名古屋市は東京と大阪の中間に位置するため,中京とも呼ばれ,その通勤・通学圏,買回品購買圏を合わせた都市圏は中京圏とよばれる。日本第4の人口をかかえる巨大都市で,1889年の市制施行当時は面積約13km2,人口約15万7000にすぎなかったが,その後守山市(1954市制)など周辺市町村を編入し,1995年現在,面積328km2,人口215万2184の規模となった。…

※「中京圏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」