中房温泉(読み)なかぶさおんせん

日本歴史地名大系 「中房温泉」の解説

中房温泉
なかぶさおんせん

[現在地名]穂高町大字有明 古厩

中房川の上流有明ありあけ山とつばくろ岳の登山口にある。享保九年(一七二四)成立の「信府統記」に、弾正地獄ノ湯・室ノ湯・知死期ノ湯の三湯(ほかに紺屋ノ湯)があること、この三湯の落ち合う地点に松川組村々の者が湯船を作り、その傍らに小さな薬師堂を建て、三月末から九月初まで入湯しているとある。

当初は小屋掛け程度のものであったが、文政四年(一八二一)一日市場ひといちば村(現三郷みさと村)の百瀬茂八郎が温泉付近で明礬採掘をした時に湯宿を経営、文政一一年古厩ふるまや村の二人が自分の刈敷山へ引湯を願い出ている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中房温泉」の意味・わかりやすい解説

中房温泉
なかぶさおんせん

長野県北西部,燕岳の東麓,標高 1460mの場所に位置する温泉。中房川の渓谷沿いにあり,安曇野市に属する。泉質硫黄泉泉温 70~97℃。湯量は豊富。胃腸病,関節痛神経痛特効があるといわれる。夏季避暑客や登山客でにぎわう。付近一帯に湯の湧出がみられ,沈殿物ケイ華 (珪華) と膠状ケイ酸 (珪酸) は国の天然記念物に指定されている。中部山岳国立公園に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中房温泉」の意味・わかりやすい解説

中房温泉
なかぶさおんせん

長野県西部、安曇野市(あづみのし)穂高(ほたか)地区にある国民保養温泉地。北アルプス燕岳東麓(つばくろだけとうろく)の標高1462メートルにあり、中房渓谷に沿う。平安時代坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)がこの温泉を訪れたという伝説がある。旅館は一軒で周辺至る所に噴泉がある。泉質は硫黄泉。燕岳登山の基地で、自炊もできる。JR大糸線有明(ありあけ)駅からバス1時間。

[小林寛義]

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デジタル大辞泉プラス 「中房温泉」の解説

中房温泉

長野県安曇野市、燕岳東麓、中房川の渓流沿いにある温泉。平安時代に坂上田村麻呂が訪れたという伝説が残る。燕岳登山の拠点

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