新撰 芸能人物事典 明治~平成 「中村伸郎」の解説
中村 伸郎
ナカムラ ノブオ
- 職業
- 俳優
- 肩書
- 演劇集団円代表
- 旧名・旧姓
- 小寺
- 生年月日
- 明治41年 9月14日
- 出生地
- 北海道 小樽市
- 出身地
- 東京都
- 学歴
- 開成中〔昭和2年〕卒
- 経歴
- 川端画学校に学び、昭和3年帝展に初入選。画家を志していたが、その翌年の帝展で落選し、新劇俳優になることを決心。7年に劇団築地座の一期生として入団。以来13〜38年文学座、のち劇団NLT、浪曼劇場、劇団雲、演劇集団円で活躍。岸田国士、久保田万太郎、三島由紀夫、別役実ら劇作家の作品に多く出演。代表作は「わが友ヒットラー」「朱雀家の滅亡」「壊れた風景」「カンガルー」「雰囲気のある死体」など。48年にはイヨネスコ作「授業」の成果により芸術祭賞大賞を受賞。「授業」は47年から58年まで渋谷のジャン・ジャンで毎週金曜日に10時劇場として11年間続けられた。気品あふれる端正な容ぼうと柔軟な演技で映画、テレビにも多く出演。映画では小津安二郎作品の常連で「東京暮色」「早春」「秋日和」などがある。言葉に対して敏感で“しゃべる芸”に卓抜した才能を発揮したといわれる。著書に「おれのことなら放つといて」がある。
- 受賞
- 紫綬褒章〔昭和58年〕 アジア映画祭男優助演賞(第8回)〔昭和36年〕「秋日和」,紀伊国屋演劇賞(第2回)〔昭和42年〕「朱雀家の滅亡」,名古屋演劇ペンクラブ年間賞〔昭和46年〕「朱雀家の滅亡」,芸術祭賞(大賞 第28回 昭48年度)「授業」,紀伊国屋演劇賞(特別賞 第17回)〔昭和57年〕「授業」,日本エッセイスト・クラブ賞(第34回)〔昭和61年〕「おれのことなら放つといて」,芸術祭賞(第42回 昭62年度)「ドン・キホーテより」,テアトロ演劇賞(特別賞 第17回 平1年度)〔平成2年〕「ドラキュラ伯爵の秋」
- 没年月日
- 平成3年 7月5日 (1991年)
- 家族
- 養父=中村 税(小松製作所初代社長),長女=伊藤 みな子(女優),二女=中村 まり子(女優),兄=小寺 健吉(洋画家),小寺 融吉(民俗芸能研究家)
- 伝記
- 最期の台詞―演劇人に学ぶ死の作法俳優の領分―中村伸郎と昭和の劇作家たち終幕の思想―演劇人の死永くもがなの酒びたりおれのことなら放つといて 北川 登園 著如月 小春 著北川 登園 著中村 伸郎 著中村 伸郎 著(発行元 STUDIO CELLO新宿書房白水社早川書房早川書房 ’07’06’93’91’89発行)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報