日本大百科全書(ニッポニカ) 「串良」の意味・わかりやすい解説
串良
くしら
鹿児島県大隅半島(おおすみはんとう)中央部、肝属郡(きもつきぐん)にあった旧町名(串良町(ちょう))。現在は鹿屋(かのや)市の東部を占める。旧串良町は1932年(昭和7)西串良村が町制施行。2006年(平成18)鹿屋市に合併。旧町域の大部分はシラス土壌の笠野原(かさのはら)台地東部にあたり、台地の東端と南端に、串良川、肝属川の沖積地が形成されている。また、北部は丘陵性の山地である。国道220号が中央部を東西に走り、国道269号が北西部を通過する。笠野原台地上は広大な畑地で、1967年以来国営畑地灌漑(かんがい)事業の進展により、畜産の各部門や、サトイモなどの野菜、花卉(かき)などの園芸作物の生産が伸びている。標高109メートルの大塚山公園は眺望のきく丘陵公園であり、特攻基地であった串良海軍航空隊の跡地は平和公園になっている。
[田島康弘]
『『串良郷土誌』(1973・串良町)』