丹東(読み)タントウ

デジタル大辞泉 「丹東」の意味・読み・例文・類語

たんとう【丹東】

中国北東部、遼寧りょうねい省の工業都市瀋丹しんたん鉄道の起点鴨緑江おうりょっこうをはさんで朝鮮民主主義人民共和国新義州鉄橋で結ばれる。製材製糸業が行われる。旧称安東人口、行政区78万(2000)。タントン

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精選版 日本国語大辞典 「丹東」の意味・読み・例文・類語

たんとう【丹東】

  1. 中国、遼寧省都市鴨緑江右岸にあり、朝鮮民主主義人民共和国の新義州と対する。古来中国と朝鮮とを結ぶ交通要地。旧称は安東。一九六五年、現在名に改められた。タントン。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「丹東」の意味・わかりやすい解説

丹東
たんとう / タントン

中国、遼寧(りょうねい)省南東部の地級市。鴨緑江(おうりょくこう)の河口近く、北朝鮮との国境に位置する。3市轄区、1自治県を管轄し、鳳城(ほうじょう)など2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。常住人口244万4697(2010)。19世紀なかばから漢民族の入植が進み、1876年に安東(あんとう)県が置かれ、1946年その一部が安東市となり、1965年丹東市と改称した。瀋丹線(瀋陽(しんよう)―丹東)の終点であるが、鉄道はさらに鴨緑江大橋を渡って対岸の新義州(しんぎしゅう)に通じている。2015年には丹大高速鉄道(丹東―大連(だいれん))が開通した。市街近郊に丹東浪頭空港がある。

 産業は、鴨緑江上流から運ばれる針葉樹材をもとにした製材、製紙、化学繊維工業や、周辺から集まる柞蚕(さくさん)の製糸、織物工業に特色がみられる。機械、電子機器、自動車部品、製薬工業も発展し、東北地区の工業基地の一つとなっている。周辺地域では、米、コウリャントウモロコシ、ダイズを産出し、漁業や製塩も行われる。その地理的位置のため、日清(にっしん)・日露戦争当時は日本軍の根拠地となった。

[浅井辰郎・編集部 2017年4月18日]

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改訂新版 世界大百科事典 「丹東」の意味・わかりやすい解説

丹東 (たんとう)
Dān dōng

中国東北部,遼寧省東部の都市。人口78万(2000)。鴨緑江を隔てて朝鮮民主主義人民共和国の新義州と向かい合う国境の町で,瀋丹鉄道(瀋陽~丹東)はここで朝鮮側の鉄道と連絡している。遼寧省の省直轄市で,寛甸(かんでん)県(寛甸満州族自治県)を管轄する。清末に安東県がおかれ,1946年安東市となり,65年丹東市と改称された。本市周辺は中国最大の柞蚕飼育地域で,柞蚕糸の織物を特産とし,製紙,化学繊維,計器,織物等の工業が発達している。史跡に九連城と靉河(あいが)古城址が,また北西郊に五竜背温泉がある。
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百科事典マイペディア 「丹東」の意味・わかりやすい解説

丹東【たんとう】

中国,遼寧省南東端,朝鮮との国境の河港都市。旧名安東。1965年,現名に改称。鴨緑江を隔てて北朝鮮の新義州と鉄橋によって連絡する。中国〜朝鮮間の交通・商業上の要地で物流の拠点。朝鮮族が多く居住している。朝鮮戦争の際には,中国人民義勇軍の兵站基地となった。中朝友誼橋がある。1907年開港。冬季結氷の欠点があり,5〜10月間のみ使用が可能。紡績,製紙,製糸,製材などの工業が盛ん。人口80万人(2014)。
→関連項目瀋陽

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