久遠実成(読み)くおんじつじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

久遠実成
くおんじつじょう

仏教用語。仏教では種々の教えを説くが,それは,歴史上の人物で肉身をそなえた釈迦牟尼 (釈尊) が説いたものではなく,時間,空間を超越した絶対的真理の表われにほかならず,釈迦牟尼は,はるかの昔に悟りを開き,人々を教化し続けているのだとする思想。

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百科事典マイペディアの解説

久遠実成【くおんじつじょう】

歴史上のブッダガヤーで悟った釈迦は仮の姿で,久しく遠い過去に実際に悟りを開き成仏し,以来人びとを教化し続けたのが真実の釈迦であるという法華経の説。久遠本仏,無始古仏とも称し,天台宗日蓮宗の重要教義の一つ。浄土教では十劫(じっこう)の昔に成仏した阿弥陀仏を久遠実成の阿弥陀仏という。

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世界大百科事典 第2版の解説

くおんじつじょう【久遠実成】

久遠とは遠い過去,永遠の昔のこと。実成とは実に成仏したということ。《法華経》如来寿量品第16に,釈迦牟尼仏(シャカ)が〈我れ実に成仏してよりこのかた無量無辺百千万億那由佗劫(なゆたこう)なり〉と永遠の過去から救いを働きかけつづけていることを言った言葉。もともと東南アジアに伝わる上座部仏教では,シャカはインドのブッダガヤーの菩提樹のもとで初めて〈悟り〉を開いた聖者とする。しかるに大乗仏教経典である《法華経》は,シャカが永い間の菩薩としての求道の末に,五百億塵点という数えきれぬほどの永遠の過去に仏陀となったことを明らかにし,それ以来たえず教化をつづけてきたと説く。

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大辞林 第三版の解説

くおんじつじょう【久遠実成】

〘仏〙 法華経に基づく天台宗の仏身論。釈迦がこの世に出現して、菩提樹の下で成仏したとするのは、仮に示された現象にすぎず、本当は釈迦は永遠の過去から仏としての教化を行なってきたのだとする説。釈迦が常住不変の仏であるとする説。それにならって阿弥陀仏の久遠実成を説くこともある。久遠成実。久遠成道。久成正覚くじようしようがく

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